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2013年10月

2013年10月29日 (火)

METライブビューイング「エフゲニー・オネーギン」

ちょっとブログを更新するのが遅くなってしまいました。ごめんなさい。

先週末にMETライブビューイングのプレミア試写会に行ってきました。
2013~14シーズンの開幕は「エフゲニー・オネーギン」。
スター歌手に美しい演出、ゲルギエフが指揮と、重量級の布陣。
やっぱりMETは豪華だな。一見の価値ありです。一般公開は11月2日から。

チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」 メトロポリタン歌劇場 2013年10月5日公演

指揮:ワレリーゲルギエフ
演出:デボラ・ワーナー

エフゲニー・オネーギン:マリウシュ・クヴィエチェン
タチヤーナ:アンナ・ネトレプコ
レンスキー:ピョートル・ベチャワ
オリガ:オクサナ・ヴォルコヴァ

メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団

【あらすじ】

社交や人生に倦怠を覚えているようなインテリ青年のオネーギン。友人レンスキーに連れられて地主の女主人ラーリナの屋敷にやってくると、そこにはタ姉チヤーナと妹オリガがいる。レンスキーはオリガと婚約しているのだ。夢見る文学少女のタチヤーナはオネーギンに一目惚れする。眠れぬ夜を迎えた彼女は乱れる胸の内を手紙にしたため乳母に託してオネーギンに届けさせる。しかし翌朝訪れたオネーギンは「妹のような気持ちで接するが、私は恋愛には向かない男。君も自分を押さえる術を学びたまえ」と説教し、タチヤーナの気持ちを冷たく拒む。

 

数カ月後、タチヤーナの聖名の日を祝う舞踏会が屋敷で開催される。またもレンスキーと共にやって来たオネーギンは舞踏会になじめず不機嫌になり、レンスキーへの腹いせに彼の婚約者オリガとばかり踊って、レンスキーを怒らせる。口論はやがて決闘へと発展。真冬の森で行われた決闘で、自分の死を予感しオリガへの思いを歌うレンスキー。銃声と共に倒れたのはレンスキーだった。オネーギンはこうして親友を殺してしまい呆然とする。

 

数年後、海外から戻ったオネーギンはサンクトペテルブルクのグレーミン公爵邸での舞踏会にやってくる。(この場面で演奏されるのが、単独でオーケストラのプログラムにもとりあげられる「ポロネーズ」ですね!!)公爵が紹介する妻こそタチアーナその人だった。大人の美貌と自信にあふれる姿に驚くオネーギン。何も知らない公爵は「愛は若い日だけに花開くものではない」と妻への愛を歌い上げる。恋の炎をが燃え上がったオネーギンはタチアーナと2人きりで逢って心情と愛を吐露。タチアーナの心も動揺する。だが彼女は公爵夫人の立場を捨てることなど考えられない。「今は心から愛している」と迫るオネーギンに対し、愛を口にするもののタチアーナは去っていく。恥辱とむごい運命を嘆くオネーギン……。

タイトルは「エフゲニー・オネーギン」ですが、このオペラの実質的主人公はタチアーナでしょう。ネトレプコ、さすがの存在感。「アンナ・ボレーナ」「愛の妙薬」につづき3年連続のMET開幕を飾っております。体つきもすっかり貫禄がついて(笑)、声も成熟。1幕でオネーギンのセリフに「(タチアーナは)美しいけれど顔が丸い」というのがあって、思わず笑ってしまいました。インタビューでは「もう、娘役のような役は歌わず、ヴェルディなどをレパートリーにする」と語っていましたが、デビューして約20年。そういう時期になったんですね。

「夢見る夢子ちゃん」のような田舎娘が、大人の貴婦人に変化してゆく様子を見事に歌い演じてました。今回の演出ではラストシーンが公爵邸の応接間ではなく屋外(おそらく宮殿のような屋敷の表門?あたり)に設定されていました。
ここで繰り広げられるオネーギンとタチアーナのやり取りが圧巻。それまで冷めた表情が多かったクヴィエチェンがこの場では愛と嫉妬に燃える一人の男になりきって大熱演。
対するネトレプコも、昔の愛と今の立場のはざまで乱れ苦しむ女心をゾクゾクするような表情で表してくれます。

ライブビューイングはアップの使い方も上手いから、こういう時は観てる方も入れ込んでしまう。「私はあなたを今でも愛しています」と告白し、オネーギンと口づけを交わすものの、直後に決然と彼を残して公爵邸へ戻っていくところなんぞ、鼻血が出そうに熱くなってしまった。2人とも演技が抜群に上手い。
こういう場面は劇場のライブも良いけれど、カメラを様々切り替えて構成するライブビューイングだと効果抜群ですね。

オネーギン役のクヴィエチェンは、インタビューでも語っていましたが、普段の「オネーギン」だともう少し感情をあらわにして演技するのだけれど、今回の舞台はわざと感情を抑え気味に演じたそうです。それが3幕になると俄然効果を発揮。舞踏会でタチアーナに気づき、恋心が燃え上がり、激しい感情吐露になるあたりが演技としても素晴らしい。

レンスキー役のベチャワもMETの人気テノール。優しい顔つきの彼が、オネーギンとの決闘直前に歌う「ああ、どこへ去ってしまうのか」は心に沁みました。

クヴィエチェンもベチャワもポーランド人だからロシア語堪能。歌の実力に加えて言葉も達者で演技も出来る歌手がこれだけ揃うのもMETならでわです。METの合唱団もロシア語合唱は見事でした。
ゲルギエフの音楽はチャイコフスキーの美しさがひときわ感じられるもの。過度な表現はなくて、どっしり落ち着きのある中にひたすら美しい旋律や舞曲が展開してゆきます。ロシア的なスケールの中に繊細な感情が散りばめられているようで良かった。さすがに開幕公演だけあって、どこを見ても盤石な舞台でした。

それにしてもチャイコフスキーの美しさ。
同じ物語をヴェルディが作曲したらもっと激しい音楽が登場するかもしれないし、プッチーニが書いたら情緒過多くらいのアリアや二重唱が出来上がった気がします。
でもチャイコフスキーはそうじゃないの。
ひたすら美しい旋律から情感がじわり滲み出てくる…。女性的優しさといったらそれまでだけど、この柔らかさと貴族的な品性はさすがです。そこにロシアの民族的な香りも漂っていて…。

このオペラには恋の主人公による「愛の二重唱」がありません。
すれ違い続けたタチアーナとオネーギンだから無いんでしょうね。それとチャイコフスキーはこのオペラを作曲する前に、パリで「カルメン」を見たそうです。そこで彼は「真のドラマは登場人物の個人的心理の変化にある」と確信したそうです。
「カルメン」にもカルメンとホセの愛の二重唱はありません。
これまた成就しない恋を描いた「エフゲニー・オネーギン」も、恋する者同士の「ハモリ」である二重唱はなく、男と女の心理変化を見事に浮かびあがらせている。

数あるオペラの中でも、こういう物語に大人は惹きつけられるのですよ。

相手への想いのすれ違い…。
別に若い頃だけにある事ではなく、いつになっても日常の中でも起こりがちなこと。

それは私もよく分かる気がするな……。

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2013年10月16日 (水)

コンサートにいらっしゃいませんか?!

今やバッハやモーツァルトの音楽演奏の一大フィールドとなった古楽器演奏。
名曲が生まれた当時の楽器を使い、当時の音楽様式を尊重しつつ今を生きる私たちに訴える演奏……その瑞々しい響きは格別です。

特に古楽器は生演奏で聴くと、個々の音色がハッキリ楽しめます。
現代楽器では決してあり得ないアンサンブル、たとえばトランペットとオーボエとリコーダーとヴァイオリンが同じ協奏曲で響き合う美しさも実感できるのです。

そんな古楽器によって、バッハのブランデンブルク協奏曲全6曲を一挙に演奏するコンサートが来週の土曜日、10月26日に神奈川県立音楽堂で開催されます。
チェンバロ&フォルテピアノ奏者の渡邊順生氏が音楽監督をつとめる「山手プロムナードコンサート」です。
バッハがケーテンの宮廷楽長を務めている時代、その宮廷楽団は楽器の名手たちが揃っていました。彼らによるソロやアンサンブルを想定して書かれた協奏曲の中から、後にバッハはブランデンブルク辺境伯クリスチャン・ルードヴィヒに6曲を選んで献呈したところから「ブランデンブルク協奏曲」の名で呼ばれています。

その時のフランス語の献呈文はこんな感じです。
『ブランデンブルク辺境伯殿下に捧げ奉る

殿下、2年前御下命により殿下の御前にて演奏申し上げる光栄に浴し、かつその折、小生に天よりあたえられたささやかな楽才を殿下がお悦び下さった事を知りました。さらに御前を退出します折、殿下は畏れ多くも小生作になるいくばくかの曲をお捧げ申し上げるようにと御下命の栄をお与えくださいました。よっていと恵深い御下命に従い、ここに添えました協奏曲により、殿下に対して謹んで小生の敬意を表させていただきます。

……いと卑しく、いと恭順なる僕ヨハン・セバスティアン・バッハ 
ケーテン 1721年3月24日』

当時の音楽家が王侯貴族に対してどれだけへりくだって物を言っていたか、興味深いですね。

さてそれはさておき、6曲の独奏楽器はそれぞれに異なり、まるで「楽器のフルコース」のような趣。
第1番では3本のオーボエ、ファゴット、狩猟ホルン、小型のヴァイオリン
第2番ではリコーダー、オーボエ、トランペット、ヴァイオリン。このトランペットはナチュラルトランペットで、現代のトランペットのようにピストンはついていません。超絶技巧を要求される難曲です。
第3番はヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ3本づつに通奏低音
第4番はリコーダー2本とヴァイオリン
第5番はフルート、ヴァイオリン、チェンバロ。チェンバロを独奏楽器に使った、音楽史上最初のチェンバロ協奏曲と言われます。
第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロと通奏低音。とても風変わりな編成で中性的な渋い響きが特徴です。

この6曲を至高のレベルで演奏するために国内外の一流奏者を集めました。
イタリアからナチュラルトランペットの名手ガブリエーレ・カッソーネ氏を招きます。彼はガーディナーやトン・コープマンのバッハのカンタータ演奏の時の常連とも言うべき存在で、現代最高の名人です。第2番での超絶技巧と表現に大注目。
他に管楽器ではリコーダーの太田光子、江崎浩司(オーボエも演奏)、フラウト・トラヴェルソの菅きよみ、オーボエの尾崎温子、ファゴットの岡本正之、ナチュラル・ホルンの下田太郎、藤田麻里絵といったメンバーが集結。
弦楽器ではヴァイオリンの山口幸恵、竹嶋祐子、渡邊慶子、天野寿彦、荒木優子、廣海志帆、ヴィオラの森田芳子、深沢美奈(ヴィオラ・ダ・ガンバも演奏)、チェロのエマヌエル・ジラール、懸田貴嗣、武澤秀平(ヴィオラ・ダ・ガンバも演奏)、コントラバスの諸岡典経、チェンバロの渡邊孝。指揮とチェンバロは渡邊順生です。

18世紀ヨーロッパ宮廷を魅了した薫り高き音楽をオリジナル楽器の名人たちの至高の響きで満喫してください。開演前にはユニークな音楽評論で人気の安田和信さんによるプレ・トークもあります。

横浜古楽の秋 横浜音祭り2013提携イベント
ブランデンブルク協奏曲全曲
2013年10月26日(土) 15:15~15:45 プレ・トーク  16:00開演
神奈川県立音楽堂

S席 5000円  A席 4000円 B席3000円 学生2500円(A・Bのみ)

チケット:チケットかながわ 045-662-8866
     東京古典楽器センター 03-3952-5515
     オフィスアルシュ 03-3565-6771

友の会に入会すれば割引あり。小学生無料席も準備しています(要予約)。お問い合わせはオフィスアルシュまでどうぞ!

実はこのコンサートを主催する「横浜古楽プロジェクトを」お手伝いしています。
「山手プロムナードコンサート」は今年10周年。その記念のコンサートでもあるのです。
お時間なる方、古楽器大好きな方、まだ生で聴いたことない方……。
是非、足をお運びください!お待ち申し上げています。
山手プロムナードコンサート http://www.yamatepc.com/

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2013年10月11日 (金)

松島での「こども音楽プログラム」

9日と10日は宮城県の松島で「世界に一つだけの音楽教室。-Naomi Munetsugu Presents-
Classic for Japan こども音楽プログラム」に行きました。
司会の仕事です。

スイスのルツェルン・フェスティバルから「震災被災地に音楽の希望を届けたい」と言う趣旨でいくつかのコンサートやイベントが宮城県松島町で開催されています。
大型のエアドームがホールになって、300人余が収容できる特設会場に地元の小中高生が2日間にわたって招待され、ストラディヴァリウスのヴァイオリンを中心としたプログラムに耳を傾けました。

第1日。このプログラムはカレーショップを全国展開しているCoCo壱番屋の創設者、宗次直美・徳二夫妻が、地元の子供に贈る「世界に一つだけの音楽の授業」。
だから司会と言っても、生徒たちに語りかける要素がないといけないと思って、「訪問授業」感覚で進行しましたよ。
宗次御夫妻の挨拶の続き、倉木麻衣さんの「花は咲く」コンサートがあり、山内達哉さんのヴァイオリンソロも加わって「花は咲く~明日へ」のクラシックバージョンが歌われました。

この時使われたTsunamiヴァイオリンは、東日本大震災の流木と陸前高田の「奇跡の一本松」の一部から製作されたもので、現在世界中のヴァイオリニストによって1000人の演奏リレープロジェクトが進行中です。

つづいて宗次エンジェルヴァイオリンコンクール入賞者の辻彩菜、岡本誠司、大江馨、長尾春香の4人の若手がソロを務めてヴィヴァルディの「四季」全曲演奏。
あらかじめ各楽章で描写されている自然や人間の様子をデモンストレーションで聴かせて、私のソネット朗読入りで演奏しました。ヴァイオリン協奏曲だけ4曲演奏したら、さすがに小中学生には長いかと思ったので、ちょっと朗読やパフォーマンスを追加したら、かえって興味が増して聴いてくれたようで、良かった!
この曲集はそうやってあらかじめちょいと学んでから聴くと抜群に面白いのですよ。

韓国出身のヴァイオリニスト、キム・ダミさんはカルメン幻想曲やツィゴイネル・ワイゼンを演奏してくれました。今ドイツで勉強中だそうですが1731年製のストラディヴァリウスを使っての演奏は「音の深みと表現力に格段の差がある」とキムさんが言う通りの素晴らしさ。
子どもたちもそのほとばしる感情とテクニックに集中していたようです。

会場のアーク・ノヴァはドームですから、まだ暑さを感じるこの季節に直射日光を浴びるとどうしても室温が高くなってしまいます。この日も30度をゆうに超えてしまい、演奏者や楽器のコンディション、客席の子どもたちも大変でしたが、生で聴いて見る名器の音色は格別だったようです。

第2日。この日は日本とヨーロッパのハーフのイケメン・アーティスト2人が登場。
ヴァイオリンのノエ・乾さんとピアノのマリオ・ヘリングさんです。
日本語のインタビューや「ふるさと」のTsunamiヴァイオリンでの変奏曲による演奏、サンサーンス「序奏とロンド・カプリチョーゾ」などのプログラム。
パガニーニの奇想曲をノエさんがソロで演奏すると、ヴァイオリンの表現の多彩さと超絶技巧に生徒たちはあっけにとられたような表情を見せていましたね。
ノエさんは2歳で楽器に出会い4歳から正式に習い始めたそうです。「気がつくと、ヴァイオリンがあって、物を食べたり息をするのと同じくらい自然に楽器と一緒に生きてきた」と言います。その言葉通りの、楽器と演奏者がひとつに溶け込んだようなパフォーマンスが聴き手に伝わって、終演後は大変な拍手でした。

後半は第1日に続いてキム・ダミさんの演奏。
真っ赤なロングドレスでツィゴイネル・ワイゼン、カルメン幻想曲などのほかタイスの瞑想曲や映画「シンドラーのリスト」テーマも披露してくれました。

会場にアーク・ノヴァが設営されたのは、「西行戻しの松 公園」の一角。
ここは小高い山になっていて、展望台からの松島の眺めが素晴らしかった!
点在する小島と海が、まるで海の箱庭のようでした。
出演予定の演奏家がドタキャンだったり、「四季」全曲演奏が長すぎるのでは?と悩んだりしましたが、日本三景・松島の絶景と客席の子供たちの表情と、出演者の熱演がそれを吹き飛ばしてくれました。

心残りは名物の牡蠣やアナゴを食べられなかったこと…。
次に行ったら、駅近くに泊まって食堂行かなきゃ。

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2013年10月 7日 (月)

2013年サントリーホール 響コンサート

コンサート界の秋の名物と言えばサントリーホール フェスティバル2013のオープニング・フェスタとして開催される「響」コンサート。
2年ぶりに行きました。
盛装コンサートですからね。おめかしした紳士淑女が集ってプログラムも格別な面白さ。
社交としてのコンサートを堪能しました。

2013年10月5日(土) 18時開演 サントリーホール大ホール
サントリーホール フェスティバル2013 オープニング・フェスタ<盛装コンサート>

J・シュトラウスⅡ/コヴァーチ編曲「騎士パーズーマン」から チャールダッシュ
チック・コリア/コヴァーチ編曲:スペイン
ディニク/コヴァーチ&ヤーノシュカ 編曲:時計のホラ
コヴァーチ:教育ママ

津軽じょんから節

ピアソラ:リベルタンゴ

上妻宏光/伊賀拓郎 編曲:三味線とオーケストラのための幻想曲「飛燕」

プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」
 ソプラノ 中島彰子
ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」より「人知れぬ涙」 
ラフマニノフ:「ここは素晴らしい場所」
 テノール パヴェル・コルガティン

V/ウィリアムズ:グリーンスリーヴスによる幻想曲

        ~休憩~

F・ロウ/小室昌弘 編曲:『マイ・フェア・レディ』序曲~「踊り明かそう」

J・シュトラウスⅡ:喜歌劇「ジプシー男爵」序曲~「起きよ、夜は去った」~うそ鳥の二重唱「誰が我々を結婚させたの?」
ソプラノ:中島彰子 テノール:P・コルガティン 二期会合唱団

ブラームス/ヤノーシュカ編曲:ハンガリー舞曲第5番
コヴァーチ&ヤノーシュカ編:K&Kラプソディ

J・シュトラウス:喜歌劇「ヴェネツィアの一夜」より「ほろ酔いの歌」
ソプラノ:中嶋彰子

ジーツィンスキー:「ウィーン、我が夢の街」
ソプラノ:中嶋彰子 テノール:P・コルティガン

カールマン:喜歌劇「チャールダッシュの女王」より「踊りたい」

室内アンサンブル:ザ・フィルハーモニクス
津軽三味線:上妻宏光
ソプラノ:中嶋彰子
テノール:パヴェル・コルティガン
舞踏:バレエ シャンブル ウエスト

指揮:大友直人
管弦楽:東京交響楽団
合唱:二期会合唱団

司会:高嶋政宏

このコンサートは毎年秋のサントリーホール フェスティバルの開幕イベントでお客様も盛装して参加するのが特色。華やかに飾られたステージに登場するアーティストも単なるクラシックだけでなく、ジャンルを超えたプログラムの楽しさを演奏してくれるのが特色です。

今回はまず室内アンサンブルのザ・フィルハーモニクスが面白かった。
ウィーン・フィルやベルリン・フィルの「イケメン」ばかりが揃ったアンサンブルだそうです。
リーダー的存在のコヴァーチやコントラバスのラーツ、ピアノのヤーノシュカはかなり体重ありそうな体型でしたが、まぁ音楽的には十分イケメンでした。
クラシカルな音楽はもちろん、ジャズや民族音楽のセンスも抜群で楽しいのなんの。
開演の数時間前に羽田空港に着いたらしいですが、緊密なアンサンブルと表現力には脱帽でした。なにより自分たちが愉しんで演奏しているから、それが客席にもダイレクトに伝わってくる…!リーダーのコヴァーチが楽曲ごとに喋って説明するんですよ。
これも面白かったです。

前半に登場した津軽三味線の上妻宏光さんも異次元の三味線の楽しさを伝えてくれました。ザ・フィルハーモニクスといっしょにリベルタンゴ演奏してくれましたからね。
同じ弦楽器とはいえ、西洋楽器と三味線のコラボがこんなにマッチするとは驚き。
オーケストラとの共演も協奏曲のような趣でGood!
こんな演奏が実現するのも響コンサートだからこそです。

歌手ではソプラノの中嶋彰子さん。
その存在感と表現力はまさに大輪の花でした。
「ある晴れた日に」では着物を使った襟付きマントで登場。歌うジャポニズムを見事に披露。「マイ・フェア・レディ」では真っ赤なロングドレスと帽子がゴージャスこの上なく、「ほろ酔いの歌」では客席で演技しながら酔った貴婦人を演じ歌う…フォルクスオパーの華としてのキャリアと実力に圧倒されました。きちんと歌うことと同時に華のある舞台を演じられるのがいかにエンタテンメントで大事かを実感しましたね。

「ウィーンわが夢の街」をテノールのコルティガンと歌うときだって、説得力が違う。
香る歌でした。

この日は舞台前が平土間になっていてダンス用だったようですが、サクラのカップルが踊っても一般のお客様はいきなり踊るのはやっぱり難しい。プログラムの最後にオペレッタの合唱を客席全員で歌うという企画もあったけど、いきなりは歌えないのですよ、普通のお客様は。
やっぱり全員に告知したり、全員で1回合唱練習しないと無理だよね。
最後の盛り上がりの場面がちょいと残念でした。

それはさておき、大人がお洒落して社交する音楽会がもっと欲しいです。
ま、響きコンサートみたいな特別な機会は日本ではまだまだ難しいでしょうがね。
こういう空間、私は大好きです。

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