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2014年1月

2014年1月27日 (月)

新国立劇場の「カルメン」

久々に新国立劇場へ。

新国立劇場公演 ビゼー「カルメン」 2014年1月26日 14時開演

指揮:アイナルス・ルビキス
演出:鵜山仁

カルメン:ケテワン・ケモクリーゼ
ドン・ホセ:ガストン・リベロ
エスカミーリョ:ドミトリー・ウリアノフ
ミカエラ:浜田理恵
スニガ:妻屋秀和
モラレス:桝貴志
ダンカイロ:谷友博
レメンダード:大野光彦
フラスキータ:平井香織
メルセデス:清水香澄

新国立劇場バレエ団
TOKYO FM少年合唱団
新国立劇場合唱団

東京交響楽団

「カルメン」の日曜午後公演とあって満員のお客様。昨年の「アイーダ」以来の満員御礼だそうです。やっぱり劇場が満員って気持ち良いものですね。
今回の舞台は2007年初演の再々演。オーソドックスな演出で衣装も綺麗。そのあたりも人気なんでしょう。

おなじみの前奏曲が流れ始めてビックリ。なんとも小気味よくて素晴らしい。闘牛場の賑やかさとセヴィリャの空気までもが鮮やかに表現されている!指揮のルビキスはラトヴィア出身のまだ34歳。若手ならではの溌溂さが音楽に精気をみなぎらせます。
その音楽は最後まで瑞々しさを失わず、オペラをけん引していました。
この指揮者の音楽を聴けただけでも行った甲斐があるというものでしたよ。

カルメン役のケモクリーゼはグルジアのトビリシ生まれのメゾ。スカラ座のアカデミアで学びモーツァルトやロッシーニを得意としてきた人です。
これが本人にとって「カルメン」のロールデビューだそうです。
目鼻立ちのはっきりした美人さんですが、いかんせん声は軽い。ケルビーノ・デスピーナ・ロジーナ歌いとしてやってきたんですから、舞台の上では声の軽さとやや小柄な身体もあって、どうしてもデスピーナかロジーナのように思えてしまう箇所もいくつかありました。
それでも登場のシーンはじめ大事なところでは頑張って低音の強さを出そうとしてましたが、カルメンがちゃんと持ち役として評価されるにはもう少し時間がかかるかもしれません。

でも演技ではかなり色々自分で考えていたようで、足をあらわにした官能的な仕草なども連発。自分なりのカルメン像を表現しようという熱意は十分感じられました。

女性陣ではミカエラ役の浜田さんが安定した歌いっぷり。フランス語もさすがに美しく、理想的なミカエラ像を楽しみました。

ホセを歌ったガストン・リベロは新国立劇場初登場。ウルグアイ系アメリカ人テノールでどんな声かと興味津々でしたが、嫌いなタイプではありません。カルメンとのバランスも悪くなかった気がします。エスカミーリョのウリアノフは名前からお分かりのようにロシアのバス。パワーはありますが艶気がちょいと足りない…。力づくでカルメンをモノにする男って感じかな。

ところで「カルメン」はメリメの原作とオペラではだいぶ変化している部分があります。
闘牛士のエスカミーリョは原作では名前しか出てこないし、ミカエラに至っては原作には全く出てきません。2人ともオペラの台本で存在感を発揮しているのです。
この2人がいるから恋物語としての「カルメン」は濃厚な物語になるのですね。
許嫁のミカエラと全く対照的な性格のカルメン。その奔放で気の強い性格が、ミカエラの存在で際立つ。そしてホセの恋敵となるエスカミーリョがいるから、負け犬としてのホセの弱さや屈折した思いがくっきり浮かび上がってくる…。
オペラの主人公は、ただ登場するだけでは存在感や内面をアピールできません。
それぞれのキャラクターと好対照をなす脇役がいて初めてそれがアピールできる。
「カルメン」の台本を書いたアレヴィとメイヤックはそのことが良く分かっていました。

だからカルメンとホセはもちろん重要ですが、エスカミーリョとミカエラ2人がしっかり描ける歌手が演じないと観客にとってはどこか満足いかないこともあるのです。

脇役の重要性をしみじみ感じるオペラ。
それが「カルメン」です。

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ところで3月に私もイタリア人メッゾを招いてオペラものコンサートをプロデュース&司会します。皆様ぜひご来場ください!本物のイタリアを感じる空間です。
詳しくはこちら⇒ http://p.tl/rFGO

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2014年1月25日 (土)

母校が春の甲子園へ!

今年の選抜高校野球大会(3月21日開幕)の出場校が発表されました。
21世紀枠で我が母校、東京都立小山台高校が選ばれて初の甲子園行きが決定。
去年の秋季大会で強豪私立校を破ってベスト8まで進んだことで、21世紀枠での出場ができるかも?…と期待が広がっていましたが、夢が現実になりました。

都立高校の選抜大会出場は初めてらしいです。
我が小山台…(オヤマダイではありません!! コヤマダイです)は旧制府立8中で1923年の創設以来伝統ある進学校。
東急目黒線(昔は「目蒲線」と言いました)の武蔵小山駅前にあります。
グラウンドは狭くて4つの運動班(色々注釈多くてスイマセン。我が母校ではクラブ活動は班活動と呼ぶのが伝統で、正式には野球部ではなく野球班です)共用。定時制もあるので、練習時間も授業が終わってからの90分に限定されています。

だから生徒は知恵を絞って「短時間で効率よく」練習しているそうです。

私が卒業したのは1978年だから36年も前。
そのころ野球班はあったけど、甲子園なんて夢のまた夢…って感じでした。
ちなみに僕はブラスバンド班に所属していて、学校放送局でアナウンス部長もやっていました。学校の行事では運動会や合唱コンクールが有名で、いまでも伝統の行事になっています。そういう意味では現在の私の仕事のいくらかの部分は高校時代に体験した小山台の想い出がルーツとも言えるのです。

演奏会やコンクールの練習に明け暮れる日々。当時全員でも30名足らずの小さなブラスバンド班でした。はじめて吹奏楽コンクールに出たのも我々でした。
ブラスバンドの練習が終わって武蔵小山の喫茶店でダベったり、合宿での練習、ドキドキの演奏会本番やコンクール…、笑いや悔し涙や友情が濃厚に詰まった3年間。
今でもセピア色にならない時間です。
我が青春時代で間違いなく最高に楽しく、完全燃焼したのが小山台の高校生活。
その母校が甲子園に行くのは実に感慨深いですね。

あと、甲子園と言う場所も私にとっては特別で、テレビ朝日のアナウンサーになった当初はスポーツ研修で春の大会、アルプスリポートや「熱闘甲子園」の番組の仕事で夏の大会…。毎年春と夏は甲子園に行ったものです。
実況の研修でバックネット裏で小型カセットテープレコーダー片手にずいぶん実況練習しました。ラジオから流れる有名アナウンサーの実況を聞きながら「なんて上手くて感動的な実況中継なんだ!僕もそのうちこんな実況しゃべってみたい」と心躍らせていたのも甲子園。
夏のむせ返るような暑さの球場通路で早実の荒木大輔、PL学園の桑田・清原、上宮の元木、江の川の谷繁らに試合後のインタビューをしたのも甲子園。相手も汗だく、自分も汗だく、現場でかく汗と恥が貴重な経験でした。
広くて大きいアルプススタンドでのリポートでは、ネタになる関係者捜しも一苦労。
「○○投手のご家族の方、いらっしゃいますかぁ~~!!!」と絶叫しながら細い階段通路を走りまくっていたのも甲子園。他の放送局に先んじて話が聞ければ、それだけ新鮮なリポートになるから必死でした…。

その甲子園に我が小山台が出場する。
アナウンサーとしての私の原体験の一つが甲子園。その意味でも感慨深いです。

3月14日に組み合わせ抽選だそうです。
甲子園のアルプススタンドへ行きたいな。
校歌歌えたら感激だろうな。

今、ワクワクしています。

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2014年1月20日 (月)

C・アバド死す

今、パソコンでニュース見ていたらクラウディオ・アバドが亡くなった記事を知りました。
80歳。
大指揮者です。いろんな名演があります。

でも、僕が一番印象に残るのはやっぱりロッシーニの「ランスへの旅」。

忘れ去られていたこのオペラを蘇演した功績は音楽史に残るものでしょう。
しかも…。
訃報を聞いて、今ベルリンフィルを指揮してライヴ録音したCDを聴いているのですが、その音楽のなんとみずみずしいこと!!
もともと1984年のロッシーニ・オペラ・フェスティバルで150年ぶりに蘇演したものを1992年にベルリンフィルで録音したもの。ライモンディ、ダーラ、レイミー、ヒメネス、リチャレッリ…。

もう半ば伝説の歌手もたくさんいますが、その音楽と歌の新鮮さは今でも決してあせることはありません。これと匹敵するのがクライバーの指揮した70年代の「こうもり」の録音じゃないかな?

本当に素晴らしい指揮者とは、このように永遠の魅力を感じさせる演奏を残してくれるんでしょうね。しみじみ素敵です。そしてこれからも何回も聴くでしょう。
素晴らしき歌手と指揮者とオケが混然一体となった奇跡。それがアバドの「ランスへの旅」です。

今夜はひたすらこの録音に浸って過ごすことにします。

さようならは言いません。
この「ランスへの旅」を聴けばいつでも御一緒できますから。

ありがとう!マエストロ・アバド。

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第11回東京音楽コンクール優勝者コンサート

東京文化会館が主催する「東京音楽コンクール」の優勝者コンサートがあり、司会しました。
2003年から始まったこのコンクール、ピアノ、弦楽、管楽器(木管と金管が隔年)、声楽の4部門から成り、可能性に富んだ新人音楽家を発掘するだけでなく入賞後のコンサート開催などサポート体制も用意されている意味で特徴あるコンクールです。

私も何回か司会をやらせて頂いてますが、毎年楽しみにしているお客様が多く、今回も満員の盛況。若いアーティストを自分の目で確かめておきたい…そんな方も多いのでしょう。

今回の演奏者は3人。
木管部門第1位  クラリネット コハーン・イシュトヴァーン
シュポア クラリネット協奏曲第2番 変ホ長調 Op.57

弦楽部門第1位  ヴィオラ   田原綾子
バルトーク ヴィオラ協奏曲 遺作(シェルイ補筆版)

ピアノ部門第1位 ピアノ     黒岩航紀
チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調 Op.23

梅田俊明 指揮
東京フィルハーモニー交響樂団
司会 朝岡 聡

クラリネットのコハーンさんは1990年生まれ。お爺さんもお父さんもコハーン・イシュトヴァーンと言う名前だそうです。なんだか歌舞伎役者みたいに名前の世襲なのかな?
ふっくらというよりかなり立派なお腹の体格ですが、ハンガリーの音楽院で知り合った日本人の奥様と一緒に去年から日本に活動の拠点を移して、ソロとして活動をしているそうです。
9歳からお父さんの手ほどきでクラリネットを始めた彼は、いわゆる英才教育を受けたタイプ。少年時代からハンガリー、ドイツ、イタリアなどのコンクールで優勝や入賞を重ね、その実力は折り紙つきです。
この日演奏したシュポアの協奏曲は超絶技巧を要求される作品。しかしながら彼の演奏は、難しさを聴く者に感じさせずひたすらクラリネットの魅力をアピールしてくれたのです。
まさに「羽ばたくクラリネット」とでも言うべきでしょうか。
ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾだったシュポアが書いた。ヴァイオリン協奏曲のようなクラリネットの曲を縦横無尽に自由に吹きあげる技量は実に素晴らしい。
体格が良いから、遠くから見るとクラリネットが妻楊枝のように細く見えますが、その音色と技術と音楽は太い芯がビシッと通った本物の音。
逸材です。

つづくヴィオラの田原綾子さんは、現在桐朋学園大学の1年生でヴァイオリンとヴィオラをダブル専攻しているお嬢さん。
ヴィオラを専門的に始めてまだ2年だそうです。学生同士で弦楽アンサンブルを組んでヴィオラの魅力に夢中になったと話してくれました。
その魅力とは「ヴィオラは相手がいて、一緒に演奏して初めて楽器の良さがアピールできること」なんだとか。相手を生かして、自分の良さも分かるというのはヴィオラならではですね。相手を生かして自分も生きるというのはアナウンサーにも通じる美学です。
バルトークの協奏曲は、そんなヴィオラが思う存分「自分だけ」で華々しく奏でる面白さに満ちていました。バルトークですからハンガリーの民俗音楽っぽい響きも感じられて良かった。脇役的立場の多い楽器ですが、その価値と存在感をしっかり体感しました。

ピアノ部門の第1位黒岩航紀さんは今東京芸大の4年生。
東京音楽コンクールの本選ではラフマニノフの協奏曲第3番を演奏しましたが、この日はチィコフスキー。聞けば「大好きな曲がたくさんありすぎて困る。せっかく東京文化会館でオケと一緒に演奏できるなら、チャイコフスキーもぜひ弾きたい!」と言うことで曲目を変更したそうです。
若さの賜物ですね。意欲的なのか向う見ずなのか、それは紙一重かもしれませんが、とにかく今の若さがあるからこそできる選択。
曲が始まると同時に、なんとも歯切れよく「行ける所まで飛ばすぞ~~」という雰囲気の快進撃です。でもそれで最後まで弾き通してしまうから凄い。若武者が荒馬乗りこなして街道を突っ走る…!そんな風が吹いておりました。

会場は満員のお客様。
これが大事ですね。
音楽は一人でも演奏できますが、お客様の前で演奏してその反応を自分自身で感じることで音楽家として成長できるものでしょう。
全ての舞台芸術はそういうものです。
生の舞台の真剣勝負。その面白さも感動も怖さも、これからたくさん経験するでしょうけれど、今日の満員のお客様からもらった熱い拍手は、彼らの大切な財産となるはず。

彼らのこれから数年後と将来をふたたび客席で聴きたいものです。

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2014年1月17日 (金)

「管鍵”樂団!?」とのライヴ

14日に六本木のライヴハウスSTB139(スィートベイジル139)で開催した「管鍵”樂団!?」とのライヴはおかげさまで満員のお客様となりました。
いやぁ、楽しかった!面白かった!

2014年1月14日(火) 管鍵”樂団!?ライヴ with 朝岡聡
六本木STB139

<プログラム>
管鍵”樂団!?のテーマ
トルコ行進曲
夜来香
黒いオルフェ
茶色の小瓶
情景
サウンド・オブ・ミュージック

かもめの水兵さん
ニュー・シネマ・パラダイス
魔法使いの弟子
「清須会議」のテーマ
ファランドール

アンコール:お菓子と娘 + 管鍵”樂団!?のテーマ

2005年に結成された「管鍵”樂団!?」は映画やTV・舞台やCM…さまざまな分野で活躍するスタジオミュージシャン4人がメンバー。三谷幸喜さんの映画や舞台、NHKや民放のドラマでも彼らの音楽と演奏を来たことのない人はいないはず。…と言っても、音楽がながれていてもは演奏者の姿は見えませんから、ちょっと分からないですけどね。
ピアノと作編曲を手掛ける荻野清子さん、オーボエの庄司知史さん、クラリネットの山根公男さん、フルートの高桑英世さん。みなさん大変な楽器名人ですが、特筆すべきは自分の担当楽器が実にたくさんあることです。クラリネット、オーボエ、フルートにも管の長さで種類があるのはもちろんですが、アジアやアフリカで購入した打楽器や鈴、しちりき、リコーダー、スライドホイッスル、ピアニカ、竹笛、チュニジア太鼓、足踏み、掛け声……。
何とバラエティに富んだ「楽器群」なのでしょう!

たとえば有名なモーツァルトのトルコ行進曲。
ピアノの曲ですよね。
でも、「管鍵”樂団!?」はピアノは使わない。いや、正確には長い音をドー~~~ンと太鼓のように響かせてはいるのですが、それだけ。他に使う楽器が鍵となるアレンジなのです。
フルート、ピッコロ、オーボエ、ひちりき、クラリネット、E♭クラリネット、ピアニカ、鈴、チュニジアたいこ…。
これがまた何とも異国趣味が濃厚な仕上がりです。
しちりきが響き渡り、ピアニカとハモったりするのですが、この重なった音色がなんともエキゾチック。あっという間に空気がアラビアの魔法使いのような気分になるのです。

こんな風に「知っている有名曲」が「意外な驚きとおもしろさ」に満ちた音楽に生まれ変わる。編曲の荻野さんの手腕は全く素晴らしいものです。感嘆!

むかしむかしの歌謡曲「夜来香」(イエライシャン)…テレサ・テンも歌ってたなぁ…では、水に息を吹き込む鳥笛や「愛のオーボエ」イングリッシュホルンを使ってのメロディが美しい。

ジャズのスタンダード・ナンバー「茶色の小瓶」では私も含めて全員がリコーダーで演奏しました。小瓶のかわいらしさが音で表現できる楽しさ。

「情景」とはチャイコフスキーの「白鳥の湖」のもっとも有名な旋律ですが、荻野さんの編曲とメンバーの演奏にかかると、現代の街角を行き交う大人の「情景」に変身。モダンな響きになりました。

「かもめの水兵さん」ではオーボエのリードだけをカモメの鳴き声として響かせる!そのセンス!港や海や船の周りを飛ぶカモメが目に浮かんでまいります…。

このSTBの舞台で公演するのは、私は4回目です。
毎回、司会だけでなくて言葉と音楽のコラボを考えていまして、今回考えたのが「魔法使いの弟子」の朗読と音楽のコラボ。
ディズニー映画「ファンタジア」で有名な「魔法使いの弟子」は、もともとゲーテの書いた物語詩です。それをフランスのP・デュカスが交響詩として発表下のが1897年でした。
魔法使いの弟子が、師匠のいない間に自分も魔法をつかってみたくなり、箒に水汲みをさせる魔法をかけたまでは良かったのですが、その解き方を知らなかったので家じゅう水浸しになってしまう話。

その物語詩を忠実に訳した日本語を私が読み、「管鍵”樂団!?」がそこに生演奏をかぶせたり演奏するという構成でした。
魔法の呪文を唱える時の音楽や、水があふれる時の情景、箒がどんどん水を汲んでくるところなど、もう本当に色々な音が玉手箱から飛び出すように現れて楽しいのなんの。
世界初演の「新・魔法使いの弟子」は大成功!お客様にも喜んでいただけたはずです。

ここまで読まれると、実際に彼らの音楽を聴いてみたいでしょ?
CDも出てますから、是非聴いてみてください。三谷幸喜さんのメンバー紹介や解説。荻野さん自身による曲目解説も面白いです。

念願かなった「管鍵”樂団」との共演。
スタジオミュージシャン達の技術と表現力の高さに感服するとともに、また一緒にコンサートやりたい気持ちが高まりました。

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2014年1月13日 (月)

にっぽん丸オペラ・クルーズ

 さきほど「にっぽん丸 オペラ・クルーズ」より帰って参りました。
いつも散歩に行く横浜港大桟橋から客船に乗るのは初めての体験。おまけに船の上でオペラやるのに参加するのも初めて。興味津々の2泊3日でした。

1日目
午後5時出航。静かに横浜港を出たにっぽん丸は午後7時には浦賀水道へ。
船内にはダイニングが2か所、そのほかにカフェやラウンジもありましてお客様は思い思いに夕食を楽しみます。
にっぽん丸は22000トンの客船。最大550名以上のお客様を宿泊させることができます。
この夜は夕食以外にもマジック教室やシャンパンセミナーも開催。なぜシャンパンセミナーかと言うと、「こうもり」の中の「シャンパンの歌」にちなんでだそうです。

そうこうしているうちに時間は午後9時を回りました。
メインステージのドルフィンホールで「オープニング・ガラコンサート」の始まりです。
プログラムはオペラの名アリア集。
今回のオペラ・クルーズに参加している歌手の得意としている歌が次々と披露されるステージでした。

ちなみに今回のクルーズ公演に参加された方々は次の通りです。

ソプラノ
清水知子
山口佳子
楠野麻衣

 メゾ・ソプラノ
郡愛子

 テノール
角田和弘
上本訓久

 バリトン
柿沼伸美
押川浩士
和下田大典

 指揮
杉原直基

 ヴァイオリン
青山英里香

 チェロ
島津由美

 ピアノ
浅野菜生子
藤原藍子

 演出
馬場紀雄

ガラ・コンサートが終わるともう午後10時半。
出演者・スタッフはそれから着替えて夕食です。お客様と同じフロアで食事できるのがゴージャス。フランス料理のコースが美味でした!

にっぽん丸は商船三井客船の運航する外遊クルーズ客船で現在3代目。今の船は1990年竣工で正確には22472トンです。
船はビルのような各階に分かれていて、2階がメインエントランスやフロントがある階。ここから8階まであって、メインダイニング、客室、クリニック、セルフランドリー、各種ラウンジ&バー、カジノルーム、カードルーム、ショップ、寿司バー、茶室、プール、スパ…ほとんど街と言って良いくらいたくさんの機能を持っている船です。

客室に入ると木材をふんだんに使った内装が心地良い空間。全ての扉や引き出し、箪笥に至るまでストッパーがついていて、船が揺れた時にガチャンと勝手に閉まらない造りになっているのがさすがです。
この日は駿河湾に入って朝を迎えました。

2日目
午前8時。
カンカン カンカン カンカンと8回操舵室の鐘が船内に響いて朝を迎えます。これは8点鐘といって船の伝統的慣習らしいです。そのあと船長さんのお話。これが「喋るエッセイ」のように季節の話題やご自分の船の想い出などを織り交ぜてのなかなかの名調子。キャビンでじっくり聴きました。「今、富士山の上半分に雲がかかっています。もうちょっとこの位置でねばって、なんとか美しい富士山を眺められるように賭けてみます」とのコメントでしたが、しばらくすると見事に雲が薄くなって、駿河湾のうえにそびえる絶景の富士山が現れました!やったぁ~~!私も含めてお客様は大喜びでデッキにて写真撮影大会。
やっぱり富士山は日本人を幸せにするんですねぇ。

この日のメインプログラム「こうもり」に向けて、午後2回ほど僕がレクチャーを開催しました。船の6階にあるラウンジが会場。DVDも使いながらあらすじや聴きどころアリアなどお話しました。満員のお客様の熱心なこと!楽しいことに努力を惜しまない皆様とお見受けしました。
午後4時から「こうもり」前半の上演開始。
ずいぶん早い開始だなって?そうなんです。この日のディナーは2回制になっていて、お客様に幕間にお食事もたっぷり楽しんでいただき、そののち後半を鑑賞していただく…まるで英国・グラインドボーン音楽祭のシステムのような贅沢なプログラムなのです。
僕は開演前の口上と前半終了のご案内、そして後半は刑務所の看守フロッシュ役で参加しました。フロッシュは歌は歌わないけれど、この物語の大事な役どころ。
以前サントリーホール・オペラアカデミー公演「こうもり」で出演しましたが、台本より自分のセンスで判断しなくてはいけないセリフ回しや即興があるので、今回も相当考えました。

現場でお客様の反応感じながら演じるフロッシュは実に面白いですね!

おかげさまで公演は大成功。
やんやの喝采を頂戴できました。参加した藤原歌劇団の皆様や演出・舞台スタッフの努力が報われて本当に良かったです。
レクチャーでも話しましたが、是非このようなイベントをきっかけにオペラのフィールドを楽しんでいただきたいものです。

しっかし、このクルーズの人気は凄いです。去年の1月に初めて開催したら大変な人気で、今回もキャンセル待ちになったそうです。正月明けの、普通ならお客様の少ない時期に大ヒットツーになったんだそうな。
この手の客船ツアーにはゲストアーティストが同乗して、コンサートや講演をするのですが、並みのイベントよりも「オペラ」は相当期待されているのが分かります。
公演時にはドレスコードもありますが、お客様全員で特別な雰囲気を共感できるというのも客船ならではの醍醐味かもしれません。それがまたオペラの空気とも合致していると言えます。
船内のステージはオペラを上演するには狭くて演出効果をあげるのに舞台スタッフや演出も苦労はあるのですけれど、このような空間でもオペラをやるんだ!という心意気が感じられて感動的でした。

終演後、全員で乾杯、そして食事。ふつうのイベントとはまた違った達成感があって大いに盛り上がりました。
散会後、僕は一人で甲板に出ました。
夜空に星と月。駿河湾沿いの街の灯りがチラチラとイルミネーションのように輝いて淫す。月光が海を照らして、海面がキラキラと光っています。光る海だな。その息をのむような美しさ。

午前2時過ぎで、相当な寒さではありましたが、僕はその夜のオペラ公演をあれこれ思い出しながら、飽かず光る海を眺めていたのでした。

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2014年1月10日 (金)

明日からオペラ・クルーズ!

今日は近所のイギリス館にて、来月8日開催の「西洋館de古楽」にご出演いただくリュート・ギター奏者の竹内太郎さんと打ち合わせ。
会場の音響や演奏会場のレイアウトなどについて話をしました。
竹内さんはオリジナルの18世紀ギターを持って登場。その音色は一つ一つの音の粒が立って実に美しい!!ギターは立って演奏したり、歩きながらのおしゃべりや即興演奏も披露してくれるそうです…。
こりゃ、コンサートが待ち遠しい。

「横浜・西洋館de古楽」については、こちらからどうぞ!⇒ www.yamatepc.com

夕方からはオペレッタ「こうもり」の稽古で新百合ヶ丘へ。
実は明日から2泊3日のにっぽん丸クルーズで上演するのですよ。
藤原歌劇団が昨年「フィガロの結婚」を船上オペラでやったら大好評だったそうで、今回はその第2弾。チケット発売と同時に売り切れ状態で、キャンセル待ちも相当あったとか。
伊豆諸島から駿河湾を巡り横浜港に帰る3日間にガラコンサートやワークショップなども開催しての「オペラ三昧」クルーズだそうです。

私はコンサート・ソムリエとして「こうもり」の面白レクチャートークと舞台にも刑務所看守フロッシュ役で登場します。
これまで色々オペラは観たり、劇場も数多く訪ねてますが、船の上でオペラとは初体験!
いったいどんな旅と舞台になるかは、帰ってからご報告します。

天気は良さそうです。
船上から富士山見えると良いな…。

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2014年1月 8日 (水)

横浜・西洋館de古楽 2014 もうすぐ開催

私、オペラも好きですが、もう一つの音楽の柱が古楽。
おもに古典派以前の音楽を当時の楽器や音楽様式を尊重して演奏するのが古楽。
自分でリコーダーを吹くこともあって大好きなのです。
バッハやモーツァルトが生きていた頃の音楽を体感する楽しみですね。

いわゆる古楽器はモダンな大ホールで演奏するとどうしても音量が小さく感じてしまう。
王侯貴族や教会で演奏されていた17~18世紀は宮殿や屋敷の親密な空間でコンサートが開かれていたから、楽器の音量も小さくて十分だったのです。
だから古楽器演奏は場所が大切。

横浜の山手地区には昭和初期に建てられた西洋館があって、公開されています。
そこで古楽器演奏をしたら規模も響きも雰囲気もピッタリ……ということで始めた「横浜・西洋館de古楽」。5回目の今年は2月8日(土)と11日(祝・火)に合わせて4つの古楽器コンサートを開催します。
実行委員会の委員長として御案内しますね。

2月8日(土) 14時開演 横浜山手聖公会 聖堂
「聖堂に響くバッハ Ⅱ」~寺神戸亮&渡邊順生の世界~

山手プロムナード・コンサート第29回として開催されるこのコンサートではバロック・ヴァイオリンの寺神戸亮さんをゲストに迎え、音楽監督の渡邊順生さんとのデュオ、さらには無伴奏モノをたっぷり聴いていただきます。
このコンビはおととしの「西洋館de古楽」にも登場し、大人気でした。
プログラムはデュオがバッハの「チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ」第5番へ短調と第6番ト長調。ソロは寺神戸さんが「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調」、渡邊さんが「パルティータ第5番 ト長調」。
S・クイケンのラ・プティット・バンドのコンマスも歴任し、現在はバッハ・コレギウム・ジャパンのコンマスとしても活躍する寺神戸氏。彼の構築するバッハの宇宙は格別です。
フォルテピアノ奏者としても活動し、レコード・アカデミー賞やサントリー音楽賞に輝いた渡邊氏のチェンバロも深い説得力に満ちています。

会場の山手聖公会の聖堂がまた素晴らしい場所。
こちらをどうぞ⇒ http://anglican.jp/yamate/

昭和6年竣工の大谷石を使ったノルマン様式の建物は、前が外人墓地と山手本通り、近くに元町公園や港の見える丘公園もあって横浜情緒を味わうにはもってこいの場所です。
その聖堂は重厚で心落ち着く空間。普段は信者さんのための空間ですが、芸術に特別の理解を頂戴して、この音楽祭では聖堂を使わせていただけます。
ここで聴くバロック音楽は本当に美しい。
ステンドグラスの青や赤が祭壇の上から柔らかな明るさをもたらしてくれます。英国風の内装の聖堂は天井が高く、古楽器の響きが理想的なものとなります。幸せな気分になれますよ。

この聖堂では2月11日にもバッハの演奏会があります。

「聖堂で聴く 無伴奏チェロ組曲 ~エマニュエル・ジラール チェロ・リサイタル」
2月11日(火・祝) 14時開演  横浜山手聖公会 聖堂

ジラールさんはパリ生まれ。ソルボンヌ大学で美術史、フランス国立東洋言語大学で日本語と日本文学を学び、パリ国立高等音楽院チェロ科を一等賞で卒業。レ・タロンリリクやラ・シャンブルフィルハーモニックなどの主要メンバーのほか、桐朋学園大バロックチェロ科の特任教授として指導にもあたっている方。
今回はバッハの無伴奏チェロ組曲のプログラムです。最近そのCDも発売されたばかり。
第2番ニ短調、第5番ハ短調、第6番ニ長調の3曲が演奏されます。
第6番では小型のチェロである「ヴィオリンチェロ・ピッコロ」を使用。これも楽しみです。

湊の見える丘公園の中にイギリス館があります。昭和12年に英国総領事公邸として建てられたイギリス館は、現在は公開西洋館として親しまれています。
ここでは2月8日(土)18時開演で注目のリサイタルが開催されます。

「イギリス館で聴く 英国音楽物語 ~竹内太郎 リュート&ギター・リサイタル~」
2月8日(土)18時開演  イギリス館

竹内太郎さんは英国ギルドホール音楽院でナイジェル・ノースに学んだ世界的奏者。ロンドン在住でリュートやバロック・ギターの名手として高い評価を得て活躍中です。
たとえば英国ロンドン・タイムズ紙では「高貴な演奏」、ガーディアン紙「変幻自在なバロックギター演奏」、さらに英国リュートニュースでは「これまでで最上のバロックギター・アルバム」と録音が評価され、世界的な古楽雑誌アーリーミュージック誌では「古楽器界のコルトレーン」とまで形容されたのです。

その竹内さんは今回3種類の楽器を弾き分けてくれます。
まずルネサンス・リュートはマイケル・ロウ作によるもの。1580年ころにゲルレが製作した楽器の忠実なコピーです。この楽器でダウランドの「プレリュード」や「愛しのロビン」の佳曲が聴けるなんて!
さらに1770年ころパリでドルプランク製作のバロック・ギターや1760年ころロンドンでプレストンが製作したイングリッシュ・ギターも使ってパーセル、ヘンデル、即興演奏の妙技も披露してくれる。しかも開場は限定60席の空間。総領事公邸時代は大食堂として使われていた優雅な部屋です。
まさに楽器による「物語り」の世界。普段めったに体験できない、特別なコンサートになるでしょう。僕も本当に楽しみです。

さらに2月11日(祝・火)には「洋館サロンで祝う エマヌエル・バッハの生誕300年 ~アンサンブル山手バロッコ演奏会」もあります。こちらの会場は同じ山手西洋館の中でもベーリックホール。大バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの生誕300年にちなんで彼の交響曲や協奏曲、室内楽をプログラムしました。

いずれのコンサートもチケットは全席自由4000円。
御予約・お問い合わせは オフィスアルシュ 03-3565-6771までどうぞ。
「西洋館de古楽 2014」の詳細はこちらからもどうぞ⇒ www.yamatepc.com/

2月はまだまだ寒い時期ではありますが、みなとみらい線「元町・中華街」駅から徒歩すぐの西洋館。のんびりゆっくり西洋館巡りをして、コンサートも楽しめる「横浜・西洋館de古楽」に是非お出かけください。

音楽作品、楽器、演奏、会場の建物空間…それぞれが「歴史」でつながる体験は、普通のモダンなホールでのコンサートとは違った楽しみがいっぱいです。
「聖堂に響くバッハ Ⅱ」と「エマヌエル・バッハの生誕300年」では僕が御案内トークも担当します。会場でお目にかかりましょう!

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2014年1月 3日 (金)

ニューイヤーコンサート

皆様、あけましておめでとうございます。

2014年の正月、東京は穏やかな天気の3が日です。

私は例年のように、東京フィルハーモニー交響楽団ニューイヤーコンサートの司会で「仕事始め」です。毎回ソールドアウトの人気コンサート。
今年のテーマは「音楽で世界旅行」。
今年はソチの冬のオリンピックやサッカーのワールドカップもあって、海外からのニュースも一段と多いことでしょう。フレッシュなソリストを迎えて、指揮は音楽界の重鎮、外山雄三さん。
多彩なプログラムです。

東京フィルハーモニー交響楽団 ニューイヤーコンサート 2014
~どこかで出会った、あのメロディ~

 

2014年1月2日・3日  Bunkamura オーチャードホール 15時開演

 

J・シュトラウス2世  喜歌劇「こうもり」序曲
  〃          トリッチ・トラッチ・ポルカ
ワックスマン      「カルメン」幻想曲   ヴァイオリン独奏:服部百音
外山雄三        管弦楽のためのラプソディ

 

今井光也        東京オリンピック・ファンファーレ
古関裕而        東京オリンピック・マーチ
ラフマニノフ      ピアノ協奏曲第2番より第1楽章  ピアノ独奏:金子三勇士
アイルランド民謡   ダニー・ボーイ
ラヴェル        ボレロ

ヨハン・シュトラウスの「こうもり」はウィーンやドイツ語圏の街では年末年始の定番と言って良い演目。その序曲で幕が開きました。
ステージは生花で鮮やかに飾りつけられ、オケの女性団員はカラードレスなので舞台は何とも華やか。こういう雰囲気って素敵ですよね。新春ならではのあでやかさ。
シャンパンの泡がはじけるような序曲の出だしです。

「トリッチ・タラッチ・ポルカ」につづいて登場は今年中学3年生になる服部百音さん。
ワックスマンの「カルメン幻想曲」の超絶技巧にはあらためて驚きますが、その深い表現力にもビックリです。去年ロシアのノボシビルスクでの国際ヴァイオリンコンクールで17歳以上のシニア部門に飛び級で参加して、見事グランプリ!
すでに海外でのリサイタルや共演もこなす立派なアーティストです。

インタビューの時に指を見たら、指先に絆創膏やテープが見えました。
コンクールの時も腱鞘炎になるくらい練習し、今もそうなんでしょう。「血の滲むような努力」って言いますが、彼女の場合は現実に血がにじむほど練習しているのです。
そのくらいヴァイオリンに打ち込む様子を指先が物語っていました。

つづいてコンサートの指揮者、外山雄三さんが1960年に書いた「管弦楽のためのラプソディ」。その昔日本のオーケストラが海外に演奏旅行に出かけるときのために書かれた作品です。私たちが相撲や歌舞伎、お祭りや馬子歌で耳にする「日本の音」と各地の民謡(あんたがたどこさ~ソーラン節~炭坑節~串本節~信濃追分~八木節)が散りばめられた曲。民謡が2曲同時に演奏される箇所もあって、楽しいし賑やか。
外山さんはウィーンで勉強している時、さまざまな国のオーケストラのコンサートで、アンコールで自国の音楽を披露する時が聴衆にいちばんウケルのを感じていて「それなら日本のオケも日本の音楽で勝負したらイケルんじゃないか?」と思ったのがこの曲の生まれるきっかけだったそうです。

後半は2020年東京でのオリンピック・パラリンピック開催決定にちなんで1964年の東京オリンピックで演奏されたファンファーレとオリンピックマーチ。
ファンファーレの作曲は今井光也。これって公募作品だったんですね。
古関裕而作曲のマーチは実に素晴らしいもので、もう血沸き肉躍る感じ。古関さんのスポーツ関連作品は「栄冠は君に輝く」とか「闘魂込めて」「六甲おろし」、NHKの「スポーツショー行進曲」などありますが、本当に凄いメロディメーカーですね。
曲の最後に「君が代」の最後の部分を上手に使っているところも効果抜群でニクい。
吹奏楽で演奏されますがオーケストラでやっても感動的でした。

このコンサートもう一人のソリスト、ピアノの金子三勇士さんがソロを弾いたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第1楽章。
2月7日開幕のソチ・オリンピック。フィギュアスケートの浅田真央選手がフリーの演技で使用するのがこれですね。
ラフマニノフは自分の交響曲第1番が酷評されたのがきっかけになって、極度の神経衰弱になってしまいましたが、治療にあたったニコライ・ダーリ博士の催眠療法で快方に向かい、この曲で世界的名声を得ることになります。
いわばラフマニノフが大いなる自信を取り戻した作品がこの曲。その意味では浅田選手にも大いに自信を持って演技していただくにはピッタリの曲かもしれません。
金子さんの演奏はいつもながら音楽に誠実でいながら、自分の愛情や情熱がいっぱい詰まったもの。
会場のBunkamuraが開業した1989年生まれの今年25歳。ロシアの大地と言うより、前途洋洋の若者が大海原を進んでゆくような響きが素敵でした。

そのあと東フィルの弦楽合奏のダニー・ボーイ。しっとり温もりに満ちた響きです。
ラストに恒例のボレロ。

獅子舞や枡酒販売、お楽しみ抽選会もあって正月ならではの華やかな空気のうちに演奏会終了でした。抽選会で金子さんのおじさんに賞品が当たったり、「東フィルでラデツキー行進曲指揮する権利」にフランスから帰省中の小学生の女の子が当たってやんやの喝采を受けたり、今年もたいへん盛り上がりました。

音楽の歓びをお届けする仕事に参加できて、僕自身も嬉しい嬉しい「仕事始め」でした。

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