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2014年2月 7日 (金)

「現代のベートーヴェン」騒動

大騒ぎになっておりますね。
佐村河内氏の作品はゴーストライターが書いたものだった…というニュース。

私が来月司会するコンサートのプログラムにも彼の「作品」があったのですが、急遽差し替えになりました。
本や音楽は、全部自分の作品です!と言えるケースは昔から少ないと言われます。
スポーツ選手や芸能人の著作こそゴーストライターが書いているのが多いのは昔から知られたことですし、音楽は作曲も演奏も実際に分業の中で作品が出来上がる。作曲と編曲っていいますが、その境界と役割はかなりボヤけていて良く分からなかったりするのです。

最初から共同作業です…と公表すれば良かったとは思います。
でも、最初はそんなに売れるとは思わなかったのかな?あるいはハンデを持った作曲者が書いたという特別性を前面に出したかったのかな?
いずれにせよ、いったん動き始めると、本当のことを言い出すタイミングを逸しているうちに周りを巻き込んでドンドン動いていってしまうのでしょうね。

制御がきかなくなる……止めようと思ってもなかなか止められない、「止めよう」と言い出せない状況になっちゃう。新垣さんはずっとそれに耐えてきたけど、とうとう良心の呵責に耐えられなくなったということでしょうか。

ま、それはともかく。
音楽の歴史をふりかえると、人の作品を自分のものとして発表する例はたくさんあったようです。

モーツァルトの「レクイエム」K626もそう。
ウィーンのフランツ・ヴァルゼック・フォン・シュトゥパパ伯爵という貴族が1791年2月に奥さんを亡くしました。この伯爵は音楽愛好家でフルートやチェロを演奏したそうですが、妻の死に際して自作のミサ曲を演奏することを思い立ち、(でも作曲できないから)家来を通じてその仕事をモーツァルトに依頼したと言われています。
ギャラを弾まれたモーツァルトは1791年夏から作曲にとりかかりますが12月5日に死亡。その前日まで作曲作業を続けていました。弟子が補筆して完成し、伯爵は1793年に自らの指揮で「自作」を演奏したそうです。

まぁ、でも伯爵にしたって、こういう例は1回限りですからね。
18年間もずっと他人が「自作」を作曲していたというのもねぇ…?しかも本人はコンサートやテレビに出演してましたから、ますます罪は深いってことでしょうか。

作品や作曲者にドラマを求める時代、とくにクラシックはそんなに売れませんからね、CDもコンサート・チケットも。金の成る木になった佐村河内氏は、永遠にヒーローでなくてはいけない宿命になってしまった。
あ~あ、なんともはや…

でも、かえって新垣さんの人気が増すこともあるのではないでしょうか?
記者会見での質疑応答ぶりには実直さが出ていて、個人的に嫌悪感はない人が多いようです。

「佐村河内守」作だった作品自体は、人の心に訴える力は持っていたわけですから、これからは堂々と新垣作曲で聴く人に問うても良いのじゃないか?…
僕はそう思ったりするのですがね。


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コメント

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