« コンパラート来日! | トップページ | 都立小山台、甲子園初勝利ならず »

2014年3月21日 (金)

ベルカントスペシャル2014

イタリアの華、メゾソプラノのマリーナ・コンパラートを迎えてのコンサート、無事終了。ホッとしています。

「マリーナ・コンパラートを迎えて」
2014年3月18日 ヤマハホール 19時開演

 

モーツァルト ~歌劇 「フィガロの結婚」より~
「恋とはどんなものか御存知の御婦人がた」

 

ロッシーニ ~歌劇「セビーリャの理髪師」より~
「おいらは街の何でも屋」
「貴女が私の名前を知りたければ」
「万能にして不思議な力を持つ」
「今の歌声は」
「それじゃ 私じゃないの」

 

「嵐」の音楽
「ああ、なんという思いがけない打撃」
「もう逆らうのは止めるんだ」
「このような幸せな結びつきは」

 

~アンコール~
ビゼー 歌劇「カルメン」より セギディーリャ
ビゼー 歌劇「真珠採り」より 聖なる神殿の奥深く
サン・サーンス 歌劇「サムソンとデリラ」より あなたの声に私の心は開く

 

メゾソプラノ:マリーナ・コンパラート
テノール:中井亮一
バリトン:須藤慎吾
エレクトーン:渡辺睦樹
御案内:朝岡聡

深い感動があるコンサートでした。
2006年以来何度かオペラの舞台を見て、「一度彼女のような歌手を招いてコンサートをやってみたい」と思っていた私にとって夢がかないました。その意味でも嬉しかったのですが、コンパラートの歌声やリハで見せてくれた素顔は、世界のオペラの舞台で活躍している人間の強さと底力を実感させてくれました。これは客席で聴いているだけでは決して経験できないもの。出演交渉からプログラム選考、宿の手配やプログラムのデザイン、舞台の演出や照明などすべて自分でやりましたが、それだけの価値はあったと思えるコンサートでした。そういう事が出来た事に感謝!出演者に感謝!!お客様に大感謝!!!ありがとうございました。

実はこの日、ゲネプロ開始前にコンパラートから「頭が痛くてリハに遅れて行く」とのメッセージが届きました。え~~~っ!?突然の体調不良!どうしよう!まさか、キャンセルってことはないよな?…。不安がむくむくと頭をもたげましたよ。何と言っても1カ月以上の旅生活して、そのまま日本に来てるんですからね。疲労もピークじゃないかと思いました。でもプロですね。小1時間遅れはしたものの、ちゃんとリハに参加して舞台の一夜タイミングを確認。ホールの響きも確かめてくれました。本番が近づくにつれて表情に精気がみなぎり、会話する声も生き生きしてくるのが分かる。不思議にして強力な舞台人のアドレナリンですかね。

午後7時。いよいよコンサート開演です。
当たり役としているケルビーノとロジーナのプログラム。水色のドレスを身につけた彼女は、それこそ縦横無尽に歌ってくれます。歌と演技がごく自然にひとつになっているんですね。リハの時からそうですが、そんな彼女の存在に男声歌手陣も大いに刺激を受けてノリノリで歌い演技する。毛利元就の「3本の矢」じゃありませんが、1+1+1=3ではなくて10くらいになる凄さ。芸術の上昇気流が3つ人まとまりになった時の勢いをこれほど感じる舞台もなかなかありません。コンパラートのソロ「今の歌声は」も、舞台に用意した椅子一つと便箋とペンを小道具にファンタジックな舞台に仕上げていました。そのセンスはオペラ女優ならではのもの。味のある落語家が手ぬぐいや扇子を使って蕎麦食いや様々な場面を演じるのと同じです。そこに卓越した歌唱が加わるから素晴らしいのなんの。

テノール中井亮一、バリトン須藤慎吾のお二人もエンジン全開。
そこに渡辺睦樹さんのエレクトーンが惚れ惚れするようなオーケストラサウンドを加えてくれるので、プログラムが進むにつれてヤマハホールの熱気はどんどん増していきました。

アンコールの3曲がまた素晴らしく、最初のセギディーリャはもともとコンパラートのソロで歌う予定が、リハの時に「せっかくテノールの亮一がいるんだから、ホセも加えたオリジナルに近いバージョンでやりたい」と彼女が提案して、舞台には中井さんとコンパラートの2人が登場。これも演技しながらの歌でやんやの喝采です。
つづく「真珠採り」の二重唱は壮麗さと気品にあふれた舞台になりました。ここは照明にも凝ってもらい、神殿の柱を彷彿とさせる光の柱を背景にしながら男声が重なる音楽空間となりました。心震えました。

そして最後はコンパラートによる「あなたの声に私の心は開く」。ゆったりとたっぷりフレーズを重ねてゆく彼女の声は、妖艶さとともに優しさや愛の本質を感じさせる熱さに満ちていて、本当に涙が出るような歌。私の友人も、エレクトーン渡辺さんの譜めくり担当さんも滂沱の涙となりました。客席の男性は皆サムソンになってしまったのでは?と思うような圧倒的な迫力でした。この歌声は一生忘れられない。聴けて良かった…。本当に…。

かくしてコンサートは終了。
去年の11月から準備を始めて、色々しんどいこともありましたが終わってみればかけがえのない良き思い出をゲット出来ました。どんなにハードでも求められる場所があれば単身出かけて、己の持てる力の全てを出しきって観客を酔わせる…。コンパラートの素顔を観察していると一流の芸術家が持っているタフネスと行動力、使命感のようなものを強く感じて大いに学びました。ぶれない、迷わない、信じるままに進む。素晴らしき歌声とともにそれを感じられたのが嬉しい体験でした。


« コンパラート来日! | トップページ | 都立小山台、甲子園初勝利ならず »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

すばらしいコンサートを有難うございました。

オペラは大好きですが、なにぶんミーハーなもので、名門劇場で豪華な舞台でなくっちゃと思っていましたが、今回は歌そのものの力にうたれました。


投稿: 涌元弓子 | 2014年3月23日 (日) 00時38分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/546588/59327306

この記事へのトラックバック一覧です: ベルカントスペシャル2014:

« コンパラート来日! | トップページ | 都立小山台、甲子園初勝利ならず »