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2014年3月

2014年3月30日 (日)

「つぶてソングの集い」inみやぎ

3月28日に宮城県の名取市文化会館で開催された「つぶてソングの集い」に司会で参加してきました。今年で4回目のこのコンサートは、2011年3月11日の東日本大震災の直後から、混乱と絶望の中で福島在住の詩人・和合亮一さんがツイッターで発信した「詩の礫(つぶて)」に心を動かされた作曲家の新実徳英さんが作曲したのが全12曲の「つぶてソング」。

その「つぶてソング」をさまざまな合唱団や会場のお客様と歌うのがこのコンサートです。
2011年に杉並で開催され、その後郡山、南相馬とつづき今年は宮城県の名取市。ここも大震災の津波の甚大な被災地で800名近くの方が命を失った場所です。

詩を書いた和合さんは高校の国語の先生です。
あの大震災や原発事故から3年。いまだ14万人の人が避難生活を余儀なくされています。その一方で「風化」も語られることが多くなってきました。

『福島はまだ「有事」のなかにあります。私たちは沈黙せざるを得ないことに苦しんでいます。こころのなかに「どこにもぶつけようのないもの」がある。それなのに風化は進む。ことばにならないものと向き合うことが、ますます難しくなっています。
(略)こころの奥底にあるものを表に出すにはどうしたらいいでしょう。ぼくは、例えば詩や音楽を通じてできるのではと考えています。福島市で今年1月、詩を大勢で読む群読や合唱の公演がありました。舞台に立ったのは地元の人ら150人。ぼくの<放射能が降っています/静かな夜です>といった詩は合唱曲になりました。曲が出来た直後、つらくて歌えないという方がいらっしゃいました。でも当日は、みんなで歌ったんです。ことばや歌に、時間の重みによって抑え込んでいたものがこもり、あふれ出てきたようでした。
福島の人は、誰でもトラウマ的なものを持っているんじゃないでしょうか。ただ、こころのなかに引かれた「線」を越えて、一歩進みたい方がいると思うんですよ。そのきっかけは、形にならないままの思いをことばにしようとすることなのかもしれません。だから、そのことばを何とかすくい取って、耳を傾ける文化が必要なのです』
 2014・3・6 朝日新聞より

そんな和合さんが書いた「詩の礫(つぶて)」に即座に反応したのが新実さんでした。
「僕は和合さんにお願いして『現代詩手帖』(2011年5月号)に入稿した直後のゲラをいただいて、それを見せていただいて。歌にできるに違いないという、何か予感があったんです。
その予感以前に、震災に直接関わる何かをできないかなと。作曲家なんて無力なものですから、何ができるかわからないけれどという姿勢でいたところ、≪詩の礫≫というのがあるのを知ったので、これは書かなきゃいけない、書いて、とにかくみんなで一緒に歌いたいなと思ったんですね。
それで、3曲づつつくりました。これは4回やったので、合わせて12曲になったんですけれど、とにかく早く人々に『こういう曲をつくったよ』ということを知らせられるのはユーチューブしかないと思ったんですね。それで、名田綾子さん、浜中康子さんに伴奏をお願いして、自分で歌ってしまえということで始めたのが、この<つぶてソング>です」

新実さんが作曲直後に「あなたはどこに」を歌ったユーチューブはこちら
http://www.youtube.com/watch?v=ZWJ_wTIdPPI 

3月28日の「つぶてソングの集い」には地元の名取混声合唱団のみなさんや仙台三桜高校の音楽部による女声合唱、宮城教育大学と東北大学の合同による混声合唱団、NHK仙台少年少女合唱隊、ウインドアンサンブルやテノールの佐藤淳一さん、浜中康子さんと鷹羽弘晃さんのピアノ伴奏で「つぶてソング」の中から「あなたはどこに」「夢があるのなら」「フルサト」「重なり合う手と手」「失うことは悲しい」「燃えあがろう」「なぜ生きる」「涙が泣いている」が歌われました。

同じ曲でも女声合唱と混声合唱ではまったく違った魅力が生まれてくる。
少年少女音楽隊の合唱には、大人にはない音楽の力があってビックリ!
「涙が泣いている」では、まず和合さんが詩を朗読して、次に新実さんの「歌」を演奏したのですが、詩と音楽のそれぞれの持っている力をあらためて実感しました。

コンサートの最後に出演者も客席もいっしょになって「あなたはどこに」を歌いました。
なんともいえない心のつながりを感じるエンディング。
静かで確実な感動。
震災以来、色々な場所で「音楽の力」という言葉を使いましたけれど、この会場では本当にその素晴らしさを実感。
このプロジェクトの代表でもある浜中康子さんは、こう言っています。

「記憶から消し去りたいほど辛く悲しい大惨事を、一方で『風化させないでほしい』と訴え続けなければならない被災地の人々の切ない心の内を知る時、自らの生き方を問われている思いがします」

まさにそのとおり。
音楽で何をなすべきか…音楽にかかわる仕事をする一人ととして、これからも常に考えなくてはならない問いです。

当日、コンサートの締めくくりに出演者と会場が全員で歌った「あなたはどこに」をあらためて紹介します。

「あなたはどこに」 詩:和合亮一 曲:新実徳英

あなたはどこにいますか
あなたの心は 風にふかれていますか
あなたの心は こわれていませんか
あなたの心は 行き場を失っていませんか

いのちをかけるということ
私たちの故郷に
いのちをかけるということ
あなたのいのちも わたしのいのちも
決して奪われるためにあるのではないということ

あなたはどこにいますか
あなたの心は 風にふかれていますか
あなたの心は こわれていませんか
あなたの心は 行き場を失っていませんか

詩を読んで、音楽を聴いて、そして、歌ってみませんか。

新実徳英さん指揮の合唱による「あなたはどこに」はコチラ
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=JyNAWvUCf0A

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2014年3月22日 (土)

都立小山台、甲子園初勝利ならず

3月21日、春分の日の金曜日。甲子園の選抜高校野球が始まりました。
我が母校である都立小山台高校は大会初日の第3試合に登場。14日の抽選会での組み合わせが決まった直後、OBOGや関係者は喜んだそうです。だって開会式も見られて、連休の初日だから関西にゆっくり滞在して観戦旅行が出来る…ってね。

しかし私はこの日東京で司会の仕事があったのです。高校の同期たちは大挙して甲子園のアルプススタンドへ。でも幸いなことに、仕事が終わった直後に試合が始まりました。司会をしていた舞台から楽屋に直行。テレビをつけると試合開始直前の甲子園が映っております。すると携帯が鳴って、ブラスバンド班の同期から電話です。彼は「お前、今どこにいるの?」と尋ねる。この場合の「どこに」は甲子園のアルプススタンドのどこ?と言う意味です。僕は「ごめん!今日、俺仕事で東京なんだ。こっちで応援するわ」と答えるしかありません。電話の向こうからはアルプススタンドの大声援がガンガン響いておりました。テレビで見ても3塁側のアルプススタンドはぎっしり超満員なのが分かります。

最初だけでもテレビで見るか…と思って一人でテレビに向かいます。
初回、先攻の小山台はランナーを出しますが大胆にも盗塁を試みて失敗。福島監督積極的です。その裏、ピッチャー伊藤の立ち上がりも上々。一回が終わってスタンドで校歌斉唱。懐かしい校歌が歌詞と共に画面から流れてきます。
小山台での毎日は、今思い出してもかけがえのない素晴らしい日々でした。クラスや班活動(小山台ではクラブ活動を班活動と呼んでいるのです)、学校行事の数々…。良き友達や先生との思い出やら失恋やら勉強の工夫やら……そんな全てが濃厚な感動と共に心に染みついている。甲子園の校歌を聴いて、楽屋でひとり校歌斉唱していたら不意に涙がこぼれそうになってしまいました。
やっぱり校歌って良いものですね。

でも、相手の履正社高校は4年連続で春の甲子園に出場している強豪です。
二回に満塁からピッチャー伊藤君の押し出しで先制点が入ると、その直後に満塁ホームランを浴びてこの回一挙5点とられました。三回~五回は無失点だったものの毎回の四死球。そして六回に3点、七回に1点、八回にも2点で合計11失点。溝田投手のノーヒットノーラン達成に注目が集まる中、最終回の攻撃で代打の竹下君に内野安打が出て、なんとかノーヒットノーランは阻止。一方的な試合展開ではありましたが、小山台の意地みたいなものを感じる内野安打でした。

最初だけテレビで観戦し、そのあと楽屋に長居出来ないので車を運転しながらラジオを聴いていました。母校のアルプススタンドからは常にブラスバンドや大声援が送られていて、熱い応援が最後まで続いているのを実感。
現役生も卒業生も家族も関係者も一緒になった心のつながりを久しぶりに感じましたよ。
そういう経験をさせてくれた野球班の現役生に、あらためて感謝したいです。

ありがとう!

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2014年3月21日 (金)

ベルカントスペシャル2014

イタリアの華、メゾソプラノのマリーナ・コンパラートを迎えてのコンサート、無事終了。ホッとしています。

「マリーナ・コンパラートを迎えて」
2014年3月18日 ヤマハホール 19時開演

 

モーツァルト ~歌劇 「フィガロの結婚」より~
「恋とはどんなものか御存知の御婦人がた」

 

ロッシーニ ~歌劇「セビーリャの理髪師」より~
「おいらは街の何でも屋」
「貴女が私の名前を知りたければ」
「万能にして不思議な力を持つ」
「今の歌声は」
「それじゃ 私じゃないの」

 

「嵐」の音楽
「ああ、なんという思いがけない打撃」
「もう逆らうのは止めるんだ」
「このような幸せな結びつきは」

 

~アンコール~
ビゼー 歌劇「カルメン」より セギディーリャ
ビゼー 歌劇「真珠採り」より 聖なる神殿の奥深く
サン・サーンス 歌劇「サムソンとデリラ」より あなたの声に私の心は開く

 

メゾソプラノ:マリーナ・コンパラート
テノール:中井亮一
バリトン:須藤慎吾
エレクトーン:渡辺睦樹
御案内:朝岡聡

深い感動があるコンサートでした。
2006年以来何度かオペラの舞台を見て、「一度彼女のような歌手を招いてコンサートをやってみたい」と思っていた私にとって夢がかないました。その意味でも嬉しかったのですが、コンパラートの歌声やリハで見せてくれた素顔は、世界のオペラの舞台で活躍している人間の強さと底力を実感させてくれました。これは客席で聴いているだけでは決して経験できないもの。出演交渉からプログラム選考、宿の手配やプログラムのデザイン、舞台の演出や照明などすべて自分でやりましたが、それだけの価値はあったと思えるコンサートでした。そういう事が出来た事に感謝!出演者に感謝!!お客様に大感謝!!!ありがとうございました。

実はこの日、ゲネプロ開始前にコンパラートから「頭が痛くてリハに遅れて行く」とのメッセージが届きました。え~~~っ!?突然の体調不良!どうしよう!まさか、キャンセルってことはないよな?…。不安がむくむくと頭をもたげましたよ。何と言っても1カ月以上の旅生活して、そのまま日本に来てるんですからね。疲労もピークじゃないかと思いました。でもプロですね。小1時間遅れはしたものの、ちゃんとリハに参加して舞台の一夜タイミングを確認。ホールの響きも確かめてくれました。本番が近づくにつれて表情に精気がみなぎり、会話する声も生き生きしてくるのが分かる。不思議にして強力な舞台人のアドレナリンですかね。

午後7時。いよいよコンサート開演です。
当たり役としているケルビーノとロジーナのプログラム。水色のドレスを身につけた彼女は、それこそ縦横無尽に歌ってくれます。歌と演技がごく自然にひとつになっているんですね。リハの時からそうですが、そんな彼女の存在に男声歌手陣も大いに刺激を受けてノリノリで歌い演技する。毛利元就の「3本の矢」じゃありませんが、1+1+1=3ではなくて10くらいになる凄さ。芸術の上昇気流が3つ人まとまりになった時の勢いをこれほど感じる舞台もなかなかありません。コンパラートのソロ「今の歌声は」も、舞台に用意した椅子一つと便箋とペンを小道具にファンタジックな舞台に仕上げていました。そのセンスはオペラ女優ならではのもの。味のある落語家が手ぬぐいや扇子を使って蕎麦食いや様々な場面を演じるのと同じです。そこに卓越した歌唱が加わるから素晴らしいのなんの。

テノール中井亮一、バリトン須藤慎吾のお二人もエンジン全開。
そこに渡辺睦樹さんのエレクトーンが惚れ惚れするようなオーケストラサウンドを加えてくれるので、プログラムが進むにつれてヤマハホールの熱気はどんどん増していきました。

アンコールの3曲がまた素晴らしく、最初のセギディーリャはもともとコンパラートのソロで歌う予定が、リハの時に「せっかくテノールの亮一がいるんだから、ホセも加えたオリジナルに近いバージョンでやりたい」と彼女が提案して、舞台には中井さんとコンパラートの2人が登場。これも演技しながらの歌でやんやの喝采です。
つづく「真珠採り」の二重唱は壮麗さと気品にあふれた舞台になりました。ここは照明にも凝ってもらい、神殿の柱を彷彿とさせる光の柱を背景にしながら男声が重なる音楽空間となりました。心震えました。

そして最後はコンパラートによる「あなたの声に私の心は開く」。ゆったりとたっぷりフレーズを重ねてゆく彼女の声は、妖艶さとともに優しさや愛の本質を感じさせる熱さに満ちていて、本当に涙が出るような歌。私の友人も、エレクトーン渡辺さんの譜めくり担当さんも滂沱の涙となりました。客席の男性は皆サムソンになってしまったのでは?と思うような圧倒的な迫力でした。この歌声は一生忘れられない。聴けて良かった…。本当に…。

かくしてコンサートは終了。
去年の11月から準備を始めて、色々しんどいこともありましたが終わってみればかけがえのない良き思い出をゲット出来ました。どんなにハードでも求められる場所があれば単身出かけて、己の持てる力の全てを出しきって観客を酔わせる…。コンパラートの素顔を観察していると一流の芸術家が持っているタフネスと行動力、使命感のようなものを強く感じて大いに学びました。ぶれない、迷わない、信じるままに進む。素晴らしき歌声とともにそれを感じられたのが嬉しい体験でした。

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2014年3月17日 (月)

コンパラート来日!

メゾソプラノのマリーナ・コンパラートが来日しました。15日の土曜日は三鷹でリサイタル。本来はこの1回だけのリサイタルのために来日する予定だったのを、私が聞きつけて18日の銀座ヤマハホールでのコンサートをプロデュースしただけに、私自身も楽しみに聞きに行きました。やっぱり彼女の歌声、素晴らしかったです!!

マリーナ・コンパラート メゾソプラノ・リサイタル
2014年3月15日(土)19時開演 武蔵野市民文化会館 小ホール ピアノ:斎藤雅広

モーツァルト
「汝をあがめるものの望みとして」K577(歌劇「フィガロの結婚」より)
「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時」K520
「自分で自分が分からない」(歌劇「フィガロの結婚」より)
「クローエに」K524
「どうしてあなたのことを忘れられようか」K505

 

ドニゼッティ
「幸せでいるための秘訣」(歌劇「ルクレツィア・ボルジア」より)
ロッシーニ
「むごい運命よ」(歌劇「アルジェのイタリア女」より)
「黙って嘆こう」(作品集「老いの過ち」より)
「今の歌声は」(歌劇「セヴィリアの理髪師」より)

アンコール
「セギディーリャ」(歌劇「カルメン」より)
「あなたの声に私の心は開く」(歌劇「サムソンとデリラ」より)
「恋とはどんなものかしら」(歌劇「フィガロの結婚」より)

私、何と最前列で聴いたのですが、彼女の歌の素晴らしさに圧倒されました。
CDやDVDだと軽やかなメゾと言うイメージが強い彼女。しかしながら軽やか一辺倒ではない力強さに満ちた表現も堪能できました。アジリタの確かさと巧みさ。ソットヴォーチェでもフォルテでも決して不安定にならない音程。洗練されたヴァリアンテのセンス。どれをとっても一級品です。ロッシーニのメゾというとバルチェッローナやピッツォラートという名人が浮かびますけれど、その両者ともまた違うタイプ。目の前の舞台から繰り出される圧倒的な声の説得力に酔いしれました。
終演後も30分以上かけて丁寧なサイン会を開催。疲れを感じさせない対応にもビックリしました。

さて日曜日からは私のコンサートの日程となり、まずはホテル移動。これまで宿泊のホテル・ロビーに迎えに行くとそれはそれは大きな旅行カバンが2つとドレス、ショルダーバッグを持ってコンパラートさんが姿を現しました。聞けば、先月のヴェネツィアでの「セヴィリアの理髪師」公演のために2月の初めにヴェネツィア入りし、その公演終了後に直接日本に来たとのこと。彼女はフィレンツェ在住ですから、もう1カ月以上旅に出ているわけです。タフですね。

銀座の鳩居堂で和紙のノートや筆ペンを購入、つづいて博品館でポケモンのキャラクターグッズや面白便利グッズを購入、歩行者天国の銀座の写真を撮りまくり、ヤマハホールを下見し、歌舞伎座に感激し近所の手ぬぐい&浴衣屋で明日の来訪を約束し、そのあと地下鉄を乗り継いで目黒でリハーサルでした。これがまた凄い。最初はさすがに少々お疲れかな?と思えたのですが、歌い始めるとバリバリの本番モード。歌い進むにつれてますます元気が出てくるようで、共演のテノール中井亮一さんやバリトン須藤慎吾と演技をしながら舞台の構想がどんどん膨らんでいくのです。もう根っからのオペラ人ですね。身体の中からどんどん歌のアイデアや所作の工夫が湧いてくる。そのエネルギーたるや凄まじいものです。それにまた圧倒されました。18日のステージがますます楽しみです。本当に楽しみ。練習の時にこんなに感激させてくれる歌手も珍しい!

この日のリハが終わって「それじゃ、食事でも御一緒しましょうか。何が食べたいですか?」と問えば、間髪を入れず答えたのが「SUSHI!」。そう。コンパラートさんは和食大好き。とりわけ寿司がお気に入りなのでした。そこで海鮮居酒屋へご案内したところ、刺身は全てOK。カニミソが気に入り、ワサビも大好き。焼き魚やアナゴもどんどん召し上がり、寿司のガリもお気に召したようです。握り鮨のなかでとりわけお気に召したのがイクラの軍艦巻き。一人で数個召し上がっておりました。う~~ん!こりゃ日本人以上に和食好き…と中井、須藤両氏と共にまたまた感動したのでした。

月曜日はコンサート前日リハをやります。単なる演奏会形式の「セヴィリアの理髪師」ではない、面白い素敵な舞台になるはず。皆さん、18日火曜日は銀座ヤマハホールでの「マリーナ・コンパラートを迎えて」をぜひ聴きに来てください。

コンサート詳細はこちら⇒ http://p.tl//76nu

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2014年3月 9日 (日)

2014年 ロッシーニ・オペラ・フェスティバル

今年はやけに発表が遅かった8月のロッシーニ・オペラ・フェスティバルのキャストがようやく発表されました。今年は8月10日(日)から22日(金)までの日程。主要3演目のオペラは「アルミーダ」「セヴィリアの理髪師」「パルミーラのアウレリアーノ」です。

まず「アルミーダ」。8月10日・13日・16日・19日の4公演。指揮は当初予定されていたロベルド・アバドからカルロ・リッツィに変更になりました。演出はルカ・ロンコーニ。オーケストラはボローニャ歌劇場管弦楽団です。歌手陣はCarmen Romeu, D・Korchak、C・Lepore, A・Siragusaが発表されています。ロメウはおととしの「バビロニアのチーロ」にも出演していたスペイン人ソプラノ。あと男3人はROFの常連さんですよね。テノールが5人も出てくるオペラですが後のテノール3人は誰なんでしょう?

つづいて「セヴィリアの理髪師」。これは完全なオペラとしてではなくちょっとコンサート形式のような上演になるみたいです。指揮はG・Sagripanti。8月11・14・17・20日の4回公演で会場はテアトロ・ロッシーニです。ロジーナを歌うのがChiara Amaru。ころんころんの体型が愛らしいメゾですね。この人のロジーナはヴェネツィアのフェニーチェ劇場で去年観ました。歌唱力は素晴らしいです。バルトロはROFの常連Paolo Bordogna。ドン・バジリオはA・Espositoですよ!伯爵はアルゼンチン出身のJ・F・Gatell。そしてフィガロはまだ26歳のフランス人バリトンF・Sempeyです。去年パリのシャンゼリゼ劇場でアルベルト・ゼッダ指揮でフィガロを歌っているのがU-Tubeで聴けます。柔らかな声が印象的な若手です。ベテランと若手の組み合わせに興味がわくキャストですね。

そして「パルミーラのアウレリアーノ」。8月12・15・18・22日にテアトロ・ロッシーニて上演されます。指揮はW・Crutchfield。演出はM・マルトーネ。オケはオーケストラ・シンフォニカ・ロッシーニ。ソプラノのジェシカ・プラットとテノールのマイケル・スパイレスは「バビロニアのチーロ」で喝采を浴びたコンビですが、今回注目はアルサーチェを歌うLena Belkinaでしょうね。今ニュースで連日報じられているウクライナ人のメッゾ。キエフとライプツィヒの音楽学校に学び、2011年にウィーンのオペラ座に「魔笛」の第2の侍女でデビュー。日本でも去年の新国立劇場「フィガロの結婚」でケルビーノを歌っています。今年は4月にボローニャで「エフゲニー・オネーギン」のオルガ、そのあとウィーンでモーツァルトとマスネのリサイタルを歌い、8月のROFのあとは9月にバルセロナでケルビーノを歌予定だそうです。写真を見る限り、舞台映えのする美人さんです。さてさてどんなROFの舞台になりますか…?!

このベルキーナ都ロメウが8月17日にジョイントコンサートを歌いますし、18日にはガテルのリサイタル、20日には「バビロニアのチーロ」で物凄い歌力を発揮したポドレスのオケ付きのリサイタルもあります。そのほか恒例の若者公演「ランスへの旅」は8月13・16日。アルベルト・ゼッダROF芸術監督の指揮による「小ミサソレムニス」が21日に予定されています。

いよいよホテルや航空チケットの予約に入らなくちゃ。
今年は13日から各公演2回ずつ観る方向で旅程組もうかな?…
皆さんはどうします?

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2014年3月 8日 (土)

2014年  カーニバル&オペラ旅 その1

先週ツアーから帰国しました。ニース、フィレンツェ、ヴェネツィアを巡る7泊9日の旅。カーニバルの時期ですからニースとヴェネツィアは一段と華やいだ雰囲気に包まれていました。その度の様子を少しリポートします。

2月18日に成田を出発してパリ経由でニースへ。
この冬のニースは雨が多くてクリスマスや正月には空港も閉鎖になるほどの大雨だったそうです。我々が到着した日は曇り空。海岸沿いの「英国人の散歩道」と呼ばれる大通りにはカーニバル見物客のためのスタンドが出来ていて、明日のパレードを待つばかりでした。ニースのカーニバルは13世紀には始まっていたというほど古いもので「花のカーニバル」は今年で130回目。

翌日は曇り空ながら午後2時半にパレード開始です。
花々で飾られた山車ならぬ大きなオープンカーに美女たちが乗り、黄色のミモザの花の枝をスタンドめがけて投げ込んでくれます。大きなアドバルーンやブラジルをはじめ世界各地からのダンスやパフォーマンスも組み込まれた大がかりな大行列が海岸沿いの大通り練り歩くのです。こりゃ壮観だぁ~~。
海からの潮風が心地良いスタンドで南フランスの春を感じましたよ。

ニースからモナコ経由でバスでフィレンツェへ。

この時期は観光客が少ないとはいうものの、やっぱり人がいっぱいです。
ウフィッツィ美術館は朝イチで訪問。
団体客はガイドさんの説明する超有名作品だけしか見ないですが、ガイドの解説する隣にも、その隣にも同じ作者の傑作が並んでいるのがウフィッツィです。フィ理っぽ・リッピの「聖母子」の前は大混雑ですが、同じ部屋の他のリッピの作品はほとんど人がいない。
そういう絵をじっくり眺める。近くで見て、ちょっと離れてまた見る…。
こんな楽しみ方が僕は好きですね。
今回はそのほかにもイタリア以外のオランダの風景画や風俗画、カラヴァッジョの「メンドゥーサ」(髪の毛が蛇・蛇・蛇…の顔)や「バッカス」、ワトーの小品などもじっくり鑑賞。
やっぱり素敵な美術館です。

それからグループとは分かれて単独行動。
まずはポンテ・ヴェッキオのたもとにある手袋の名店「マドヴァ」へ。
革製品の有名なフィレンツェでも、っこは僕の特にお気に入りの店です。イタリアの手袋店ではローマが本店の「セレモネタ・グローブス」も有名ですが、「マドヴァ」の手袋はここでしか買えない。本当に小さな店で、お客さんが4人も入れば店内は満員!って感じです。
ここではショーウインドウに展示されているのはほんの少しですから、自分のサイズを測ってもらったら色や素材を言って、店員さんの背後の棚からあれこれ出してもらって試すのが賢い買い方。赤でもいろんな色と素材があって、迷うこと迷うこと…。
この迷ってる時間がまた楽しいわけ。
イタリアの職人の手技の手袋は内側がカシミア張りで温かく、デザインも分厚いものから薄手まで多種多様。
手袋でTPOのお洒落したい人には最高に楽しい店です。

つづいて行ったのは旧市街からタクシーで5分ほどの所にあるレオナルド・ブジェッリのシャツ店。日本の某セレクトショップでもオーダー会を毎年やってますからおなじみのシャツ職人ですよね。
シャツを注文したら身体を採寸して必ず仮縫いしてくれるのがここのポリシーです。
去年初めて行って「明日はもうフィレンツェを出発しなくちゃならない」と僕が告げると、「それなら今ここで採寸して、大急ぎで仮縫いしたものを今夜ホテルまで届けるから、ホテルの部屋でチェックしましょう」と言ってくれたブジェッリさん。
もう感激しましたよ!そんな親切な、そして職人気質の彼が造るシャツはこれぞジャストフィット!の逸品です。生地も数ある中から選び、襟や袖口の形、ボタンの種類まで自分で選んで完成の最高の品。
今回も3着オーダーしました。白の無地。ブルーのクレリック、麻のピンクのストライプ、約1カ月で出来上がります。この春と夏はブジェッリさんのシャツで颯爽と出かけるのが楽しみです。
ブジェッリさんは本当に人と話すのが好き。店内であれこれ話していると上演のお客さんがやって来て、結婚式用のスーツに着るシャツをオーダーしてました。その時付けるカフスボタン持参で生地を選ぶんだそうです。
お洒落好きですな、スィニョーレ!

それからまたタクシーで観光ポイントミケランジェロ広場のふもとにある靴の店、ステファノ・ベーメルへ。
イタリアの天才靴職人ステファノ・ベーメルが48歳で亡くなったのは2012年ですが、昨年から新生ステファノ・ベーメルとして再開しました。お店も移転してミケランジェロ広場のふもとのアルノ川からもすぐの元は教会だった建物に店舗とオフィスが入っています。
1階の扉を開けて中に入ると、以前の工房でも使われてた作業机がセンターに置いてあって、その周りで職人さんたちが靴作りに精を出しています。これがまたちょっと新鮮な光景。靴だけのディスプレイとは違った「職人さんの現場」の良き雰囲気を出しているのです。

以前から担当してくれているスタッフの坂東雅子さんと今回もあれこれ相談して、黒のストレートチップでスェードの細工がしてあるデザインを選択。靴の内側の革色もたくさんのサンプルから選択できます。このあたりがオーダーの楽しいところですね。
ステファノ・ベーメルのホームページで靴を見たい方はこちら
⇒ http://www.stefanobemer.com/store/products.php?cPath=27_43

お値段はそれなりではありますが、満足度は格段に大きい。
こういう靴と長く付き合えるのは幸せです。
色・デザイン・細部にわたる職人芸… イタリアを満喫できます。
注文した靴が出来上がるのが本当に楽しみ。
その出来上がりを待つのもオーダーの魅力なのです。

かくしていよいよ最終目的地ヴェネツィアへ…。
その様子は次回書きます。

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