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2014年5月 6日 (火)

連休に観た映画 2014

この連休はいかがお過ごしでしたか?
毎年ゴールデンウィークは遠くに出掛けるより近いところで過ごすのが好きです。
今年も映画に出かけました。

この時期の私の定番と言えば、有楽町で開催される「イタリア映画祭」。
現代イタリアの最新作がまとめて鑑賞できるのが素敵。イタリア大好きな私にとってははずせないイベントです。
私、映画は基本的に共感できる相手と一緒に観るか、さもなくば一人で観に行く主義です。中途半端な人と映画に行くとえらく興ざめになりますからね。今年はぜ~んぶ一人で行きました。

今年は3作を鑑賞。
まずは「グレート・ビューティ/追憶のローマ」。2013年のパオロ・ロレンティーノ監督作品。
ローマ在住の熟年作家ジェッブが究極の美と愛の対象を求めて行動したり回想する物語。ローマの美しき名所がたくさん出てきます。これまでの愛の遍歴の空しさやはかなさも思い出しながら、なお満たされない美への探究…。142分の大作ですが、その内容の濃さは特別です。冒頭の20分くらいは「よく分からん!」と言う印象でしたが、その後どんどん引き込まれました。亡くなった渡辺淳一さんのような主人公なのかもしれません。
愛と美を求める日々が良く分かる。
監督のソレンティーノは本作でゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞、アカデミー賞外国語映画賞を受賞。
この秋、Bunkamuraル・シネマほかで全国上映されるそうです。

つづいてイタリア映画祭で観たのが2013年度制作の「サルヴォ」。
F・グラッサドニアとA・ピアッツァの共同監督。この2人は脚本家として活動している人達。
シチリアが舞台の映画です。
マフィアのヒットマンであるサルヴォは冷酷非情な男。裏切り者を殺しに出かけて、彼が不在の家で出会ったのは標的の男の盲目の妹。家に潜んで目的を達成するものの、兄を殺されたショックからか妹の視力が回復してゆく…。一方サルヴォも本来は標的と一緒に殺しているはずの妹の命までは奪わなかったところから心情に微妙な変化が現れる。彼女を密かにかくまっているうちに愛情が芽生える。やがてそれはサルヴォのボスの知るところとなり…。

なかなか面白い映画でした。会話が少なくて終始重苦しい雰囲気の中に物語が進行。それだけに俳優・女優の演技と表情が際立っていました。結末はちょいと読める展開でしたがね。

そして3作目は「自由に乾杯」と言う作品。イタリア語の原題はViva la libertaですから『自由万歳』っていう感じでしょうか。
これはめっぽう面白かった!ロベルト・アンドー監督の2013年度作品。
舞台は現代のイタリア。最大野党のリーダーであるオリヴィエーリは支持率低迷に困惑し、迫りくる選挙が不安になり失踪してしまう。急な出来事に困惑した腹心の部下とオリヴィエーリの妻が決断したのは、彼の双子の兄弟のジョヴァンニを替玉にすることだった。
ジョヴァンニは精神病院歴のある男。狂気と正気は紙一重。彼の切れ味良く、さわやかで人を魅了する弁舌で世論の評価は一変。腹心の部下や妻はもちろん、首相や大統領までもが目を見張る存在になる。
一方、失踪したオリヴィエーリはパリでフランス人の昔の恋人の下に身を寄せていた。彼女は映画監督の夫と小学生の娘と幸せに暮らしている映画関係者。家族も実に協力的で、妻の昔の恋人と分かっていて同居を許す夫や、次第に打ち解ける彼女の娘。そして彼女自身もオリヴィエーリを温かく迎えてくれる。映画現場でわかい女性スタッフとのアバンチュールまでも経験してしまうオリヴィエーリ。そんな経験を通じて次第に周囲や人に対する感覚を取り戻してゆくオリヴィエーリ。
結末は狂気からか失踪してしまうジョヴァンニと入れ替わる形でオリヴィエーリが自宅に復帰し、自信を取り戻した表情で物語は終わる…。

『グレート・ビューティ/追憶のローマ』で主人公を演じたトニ・セルヴィッロが本作でも双子の兄弟を一人二役で演じています。これがまた秀逸!
それぞれの性格や状況の違いを抜群の演技力で演じ分けている。大笑いするやら、しんみりするやら、感動するポイントが随所にあって実にすばらしい。
ジョヴァンニが気分が高まるとヴェルディ「運命の力」序曲を鼻歌で歌うシーンが随所に出てきます。この曲がキーワードのように物語のツボで聴こえてくるのも良かった。劇的な短調から光が差し込むかのような長調に転じる部分も上手くカット変わりに合わせるという、心憎い使い方もあって誠に印象的に音楽が使われていました。
腹心の部下役は昨年のイタリア映画祭の目玉だった「フォンター広場」で好演したヴァレリオ・マスタンドレア。この俳優も、真面目に演じて笑いをとれる役者ですね。感心しました。

映画の結末で、自信を取り戻して帰宅したオリヴィエーリが見せる微笑みの表情にしびれました。派手なアクションや激烈なセリフでなくて、微笑み一つで全てを納得させてくれる芸にブラ~~~ヴォ!!!
もう1回観たいです。

イタリア映画祭とは別に「テルマエ・ロマエⅡ」も観ました。
続編ということもあってか、僕自身の評価は前作を越える面白さとは言えないかも。
日本の風呂・温泉文化をエンタテインメントとして楽しむのは相変わらず素晴らしいです。
曙や琴欧州が古代ローマ帝国の剣闘士になったり、松島トモ子が熊と絡んだり、往年の喜劇俳優白木みのるが甲高い声でラーメン屋のおやじで登場するのは笑いましたけど、物語の設定やパターンを知って観る「続編」だけに、新鮮な驚きが少なかったのも事実。初作の面白さが画期的だっただけに、同じパターンで前作を越えるのがいかに難しいかを感じましたよ。決してつまらない作品ではありませんけどね…。

でも、やっぱり映画は面白いな。
オペラと同じ総合芸術ですからね。この映画はフジテレビの作品です。最近テレビでは勢いが弱くなったフジテレビではありますが、洗練されたバカバカしさというのでしょうか、飽きさせないエッセンスは生きてます。

ちなみにテルマエ・ロマエⅡにも相変わらずヴェルディやプッチーニのオペラから色々な曲が使われています。その音楽が、日本人の演じる「ローマ帝国の物語」になんとも言えぬ説得力を加えています。
相撲協会も協力しての大作です。

元横綱・曙のカッコイイ姿、久しぶりに見ました。


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