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2014年5月27日 (火)

METライブビューイング「コジ・ファン・トゥッテ」

気がつけば、だんだんシーズンも残り少なくなってきました。今シーズンの日本のポスターの表紙にもなっている「コジ・ファン・トゥッテ」を見てきました。

METライブビューイング2013~2014
2014年4月26日上演
モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」

 

指揮:ジェイムズ・レヴァイン
演出:レスリー・ケーニヒ

 

フィオルディリージ:スザンナ・フィリップス
ドラベッラ:イザベル・レイナード
フェルランド:マシュー・ポレンザーニ
グリエルモ:ロディオン・ポゾコフ
デスピーナ:ダニエル・ドゥ・ニース
ドン・アルフォンソ:マウリツィオ・ムラーロ

 

メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団

METの芸術監督であるJ・レヴァインが今シーズンから復帰。ピットに姿を現すと、温かく熱い拍手が沸き起こり「我らがレヴァイン!お帰りなさい」といった空気にあふれていました。
2年に渡る休養中は再起を危ぶむ声も聞こえましたが、車いすに乗っての指揮ながら活力と精気みなぎる音楽は健在でした。
序曲の時などレヴァインの顔のアップがたくさん入って、今回の上演が「レヴァイン復活祭」みたいな感じです。特に「コジ・ファン・トゥッテ」は彼が最も愛する作品とのことで、キャストもMETの看板がズラリ。

姉妹を歌うS・フィリップスもI・レナードもアメリカ出身でジュリアード卒。看板テノールのポレンザーニにロシア人ながらMETで13年近くキャリアを積んでいるポゾコフ。18歳の時からMETのヤングアーティストプログラムに参加してレヴァインの薫陶を受けているD・ニース。公演だけでなく「育てる」劇場としてのMETが生んだ花のある歌手が勢ぞろいですね。
フィオルディリージを歌うフィリップスと妹のドラベッラのレナードは風貌はどうしても姉と妹が逆じゃないかと思いましたが(笑)、まぁ良しとしましょう。
レナードの品格ある美しさは格別で、聴き惚れ、見惚れてしまった。大人の夢空間「オペラ」にはこういう歌手がいないとね。フィリップスは歌は確かに上手ですが、個人的好みから言うともうちょっと成熟した声になって歌うフィオルディリージが聴いてみたいです。
D・ニースは顔や身体がずいぶんと引き締まった感じになりまして、相変わらず演技も上手い。存在感あるデスピーナでした。ホントにこの人女優だわね。ライブビューイングに最適と言うか、アップで映る表情の実に豊かなこと!魅せてくれます。

アンサンブル・オペラの本作品ですがレヴァインの手にかかると、本当にそのアンサンブルも最高。1幕の長いフィナーレなど片時も間延びせず、各歌手の持ち味を最大に生かしながら絶妙なるモーツァルトの響き!幸せだなぁ…。

96年初演のレスリー・ケーニヒの演出はオーソドックス路線で、本作を見なれた人には物足りないかもしれませんが、場面転換がスピーディで音楽の流れを止めたり壊さないから、その部分は素晴らしいです。
読み替えや問題提起がない分、終演後にあの2組のカップルはこれからどうなるのか?…と真面目に考えさせられてしまい、まぁこのあたりが「コジ~」の毎回楽しいところです。

人を好きになる心のベクトルが思い通りにいかなくなるのは「女はみんなこうしたもの」だけでなく、男だって一緒。そのテーマは永遠なのです。
亡くなった渡辺淳一さんが書いてましたが、愛において人間は全然進歩していない。愛は親から子にも引き継げない。一代限りの代物。
このオペラは、まさに人間にとって人を好きになることのテーマを問いかけてくれる傑作だと思ってます。

さてMETライブビューイングも、来週はいよいよロッシーニの「チェネレントラ」。
フローレス&ディドナートの共演。
私、それを見てからザルツブルクの聖霊降臨音楽祭に行って、実際にフローレスやディドナート聴くんですから、もうワクワクです。


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