グルメ・クッキング

2013年5月15日 (水)

鮫食いマグロ

先週末に宮崎に行きました。
宮崎国際音楽祭「名曲コンサートの司会」です。
この音楽祭も今年は第18回。アイザック・スターンが礎を築き、デュトワが引き継ぎ、おととしから徳永二男さんが音楽監督としてまとめ上げています。

今回の「名曲コンサート」も盛りだくさん。
ブラームスのハンガリー舞曲第1番で始まり、小林美樹さんのヴァイオリン・ソロでベートーヴェンの「ロマンス第2番」、高木綾子さんのフルート・ソロでイベールの「フルート協奏曲」、塚越慎子さんのマリンバで伊福部昭「ラウダ・コンチェルタータ」、三浦文彰さんのヴァイオリンでワックスマン「カルメン幻想曲」…と、これが前半プログラム。
これだけでも凄いですが、後半にブラームスのヴァイオリン協奏曲第1楽章と交響曲第1番全曲、アンコールが徳永二男さんのツィゴイネルワイゼンですよ!
19時開演で終了は22時6分。
こんなに贅沢なプログラムは、そうありませんね。
お客さまもたっぷり楽しまれたようでした。

さて、宮崎と言えば以前このブログにも紹介した「一心寿司 光洋」に行かないわけにはまいりません。
今回もコンサート翌日の開店直後、午前11時過ぎに伺いました。
雨が降っていましたが、ツケ場の背景がガラス張りで新緑が美しい庭を臨むカウンターは座っただけで実に落ち着きます。

今回もおまかせで、つまみから握りの流れ。日本酒に交じって「えっ、こんなワインがあったの?!」という素晴らしいセレクションがグラスで提供されていく中に、さかなとの妙なるハーモニーが展開。もう、最高です。至福です。極楽です。

なかでも、この日の目玉は「鮫食いマグロ」。

日南沖でとれた鮫のお腹に、鮫がのみ込んだマグロがいる時がある。
これが絶品。鮫の胃の中で頭と尻尾は消化されかかって溶けてますが、ボディは残っている。そのマグロのボディを鮨ネタにしております。
赤身はヅケ、中トロもツメを塗って目の前に…。
外見は普通のマグロと変わらない気がしますが、口に含めば違いは歴然。

赤身も中トロも角が取れた丸い味。熟成を感じるまろやかさ。中トロはまるで極上のウナギの白焼きのようにハラリと口の中で崩れます。その美味しさたるや、初めて味わう感覚。
ビックリです。
当然ながら、いつもあるネタではなく、たまたま獲れた時に漁師さんから連絡が入るそうな。

一心寿司光洋では、魚介を「熟成させて旨みを引きだす」か「鮮度で勝負」のどちらかをきちんと管理しています。そしてシャリの密度もふっくら握るか、ギュッと固め気味に握るか、計算しているそうです。
「鮫食いマグロ」は熟成のネタでしょうが、初めての食感とあまりの美味しさに仰天しました。地元の猟師さんとコミュニケーションが密だから手に入るネタ。宮崎だから実現できる多彩なネタ。東京の築地も素晴らしい食材が集まりますが、宮崎だからこそ出来るネタの充実をしっかり考えて研究している一心寿司光洋の方向はオンリーワンの典型でしょう。

ここでしか味わえない美味い鮨。

食べたばっかりですが、猛烈にまた食べたくなる鮨です。

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2012年5月15日 (火)

「一心鮨 光洋」のこと

私も寿司好きですが、最近食べた中でも群を抜いて美味しかったのが宮崎市にある「一心鮨 光洋」。今回、宮崎国際音楽祭を訪れて行ったお店です。

繁華街の橘通りとは逆方向。昭和町の交差点からすぐにある店は数寄屋風のゆったりした構え。白い暖簾をくぐって店内に入ると、テーブル席やカウンターが広い空間に配置されていて、「細長い店内にカウンタ―だけ」といった一般的なお寿司屋さんのイメージとは違う気持ちよさ。
カウンターに座ればガラス越しに美しい和の庭がひろがり、今は新緑が目に沁みます。

その日は金曜日。夕方電話して「ひとりで伺いたいのですが…」と言うと、「あいにく夜の遅い時間は予約でいっぱいですが、6時過ぎにご来店いただければカウンターも大丈夫です」とのこと。その夜しか宮崎に泊まらないので、何が何でも!と決意して6時過ぎに駆けつけた私でした。

ホテルから15分ほど速足で歩いてきたので、まずは生ビールでグッと喉をうるおします。
まずはおつまみの大行進。
最初にでてきた「さざえの柔らか煮」を食しただけで、このお店の実力のほどが分かりました。珍しいくらい大ぶりのサザエの切り身。それがなめらかなプリンのような食感になるまで丁寧に煮込んであります。だしも甘すぎず辛すぎず、柔らかいサザエの食感と味を引き立てる絶妙の風味と濃さ。サザエの煮ものがこんなに繊細な美味なのを知りませんでした。
つまり、ネタを厳選し、丁寧に調理し、しっかり手間をかけた調味。この3つでサザエを見事に「柔らか煮」に創りあげている。その実力とセンスは相当のものです。

ミル貝のつまみも細く切った界をサッとあぶったものが美しい皿に盛られてくる。天然マグロの刺身もさらに置くときに、最高に美しく食欲をそそるような角度でおいてくれます。店内の雰囲気から料理の仕方、皿や器、盛り付けや味に至るまで、すべてにおいて確かな技術とセンスが傑出しています。もう、供される一品一品に驚くやら感激するやら…。

鮨も絶品です。
ネタとシャリのバランスが最高。コメの固さもちょうどよく、口の中ではらりと崩れた時に米粒ひとつひとつの美味さまで味わえる気がする。
ネタもそれぞれに手間がかかっていて、魚の旨みがシャリと混然一体となる最高の状況で握ってくれるのです。
江戸前寿司って、酢や昆布で締めたり、漬けにしたり、ひと手間加えて握るのが本来の姿と言われていますよね。一心鮨光洋もそう。釣れたて、採れたてを切り身にして食べるのは鮮度という意味では食感があるが、ご飯と一緒に食べる鮨の場合は「旨み」重視が大切だと、ご主人の木宮さんがブログに書いていました。
まさに、その魚の「旨み」が最高の形で味わえます。
ウニやアナゴは、握ったら直接手渡してくれるのも特徴。だいじにだいじに握って、それをフワッとしたまますぐ食べる。あ~~~~~美味い!!!

あと、お酒も充実しています。
最初の生ビールのあと日本酒を注文したのですが、つまみを食べ始めはしっかり密度のあるもの。鮨を食べ始める頃には食中に美味と感じられる、やや端麗な感じと注ぎ分けてくれました。大将の弟さんがソムリエで和洋のお酒をベストなかたちで提供してくれます。
ワインの品ぞろえも充実している。
今度は是非ワインと鮨で再訪したいです。

板場にも大将の兄弟が2人いて、お母様ともどもお店を切り盛りしています。
とにかくここを訪れると、上質な空気が満ちていて幸せになれる。
探究心とネタを大事にする大将・木宮一洋さんの世界。
僕はもう、一目惚れじゃなくて、一味惚れです!

あ~、宮崎で何か仕事ないかな?
飛行機乗ってでもまた食べに行きたいな~~。
東京でもなかなか出会えないレベルの高さです。

一心鮨 光洋
昼の部:11:00~13:30
夜の部:18:00~21:00

宮崎県宮崎市昭和町21番地
TEL:0985-60-5005
水曜定休

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